開幕前に新型コロナ禍襲来…球界大御所が緊急提言「コミッショナー主導で全選手の(抗体、PCR)検査を義務化すべき」
一方、7月4日に再開させるJリーグは、「PCR検査センター」を自ら設立し、56クラブの全選手、スタッフ、レフェリーの計約2340人に、唾液を検体とするPCR検査を2週間に一度のペースで実施する方針を明らかにしている。 すでにリーグ戦を再開した韓国やドイツ、再開を控えるスペイン、イングランド、イタリアなどの欧州主要リーグでも全選手のPCR検査を義務化している。7月4日開幕を目指し選手会と協議中のメジャーリーグも4月中旬にスタンフォード大学の研究に参加する形で26球団の選手、スタッフ、職員に1万個の抗体検査キットを配布、5754人のキットを回収し、5603人の結果を調べ、0.7%の陽性率であることが判明した。 厚労省が唾液によるPCR検査を認可、島津製作所が検査室を作るなどの動きが出てきたが、日本ではまだPCR検査は簡単には受けることができず、その検査体制は整備されていない。ただ、抗体検査のハードルはそれほど高くなく、感染の痕跡を調べるだけでなく、感染初期にできる「IgM抗体」の有無も調べることができるため、無症状感染の疑いがある人をあぶりだすことはできる。 広岡氏の緊急提言は的を射ている。NPBは、球団任せでなく、Jリーグ同様、機構が主導して、12球団全選手の定期的な検査の義務化と、それが実施可能な体制作りに着手する必要があるだろう。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)