「丸川珠代」をいじったテレ朝、「石丸伸二」参戦のフジ、「池上彰」不在のテレ東…テレビマンが見た民放「選挙特番」の勝者
W中継のTBSはどっちつかず
「フジの20時台の世帯視聴率は6・4%しかなかったのですが、21時台になって8・3%に急浮上しました。民放での初の開票速報ということで注目された元NHKの青井実アナはほとんど自身の意見を言うことがなく、メインMCの宮根誠司アナとゲストの元明石市長・泉房穂氏、元自民党衆議院議員・金子恵美氏、さらに、元大阪府知事・橋下徹氏が加わり激論に。22時からは先の東京都知事選で2位となった石丸伸二氏も“乱入”し、自身が出演しているフジの選挙報道に対して『茶化しすぎ』と苦言を呈するなど見どころも多かった」 一方、プロ野球の日本シリーズと選挙特番の“緊急W中継”をしたTBSは――、 「W中継とはいうものの、17時45分から始まった日本シリーズに『選挙の日』が割り込んできたのは20時直前でした。日本シリーズは画面右上の4分の1ほどのスペースに追いやられ、左半分に映った井上貴博アナが『突然、切り替わりまして恐縮です。ここからの10分間は日本シリーズを副音声でお楽しみください』と。これがその後にもあり、ようやく『選挙の日』のみの放送となったのは21時半頃でした。いちいち副音声に切り替えて日本シリーズを見続けた視聴者がどのくらいいたのか、どっちつかずの番組となりました。スペシャルキャスターとして出演した爆笑問題の太田光が何を言うのかという以前の番組になってしまいました」 そして“池上無双”をウリにしてきたテレ東に池上彰氏の姿はなかった。
数字は取れなかったが“無双”
「アメリカ大統領選の取材を先に入れていてしまったため、番組に参加できないことを中継で謝罪していました。おかげで視聴率は落ち、久しぶりの最下位となってしまいましたが、番組としては非常に面白かった。社会学者の古市憲寿氏やウエンツ瑛士、石原良純などパネラーのチョイスも悪くない。彼らがいきいきと発言して、それに対してテレ東の名物記者で官邸キャップの篠原裕明氏が即答していました。また、情報番組からたびたび取材を受けることで有名なスーパーアキダイの秋葉弘道社長まで登場させたのには唸らされました。途中、『明日の仕入れのため』とセリに出るため退席しましたが、ネットでは《自由すぎる》と話題になりました。秋葉社長がスタジオに戻ってから登場したアキダイ店舗の模型も精巧で、経済問題について『最低賃金を上げると保険料も上がる』など実生活に基づいていて秀逸でした」 テレ東が始めたことで各局がこぞって真似をするようになった候補者の“細かすぎるプロフィール”にも変化があった。今回は出演者にもプロフェールがつけられ、大江麻理子キャスターには「清水の舞台から飛び降りる」とあり「190年前、祖先が願掛けで敢行 『無事生還』の記録残る」の紹介が……大江ファンにはたまらない情報だった。 「その一方で、テレ朝では『選挙ステーション』に続いて放送された有働由美子アナがMCの『有働タイムズ』が注目されていたのですが、世帯視聴率5・8%とイマイチでした。最初から大越キャスターと組んで2人でやれば数字的にも圧勝したと思いますが、なぜこんな編成にしたのか……。やはり、元NHKの2人に選挙特番をやらせたら、テレ朝局内からの反発が強いのかもしれません」 デイリー新潮編集部
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