海外ビッグクラブを目指す10代に求められる“備え”とは? バルサへ逸材輩出した羽毛勇斗監督が語る「世界で戦えるマインド」
将来、ヨーロッパのビッグクラブで活躍したい――。それは多くのサッカー少年、少女たちが描く夢だろう。そのために、小学生時代から準備しておいたほうがいいこととは何だろうか。バルセロナの下部組織アレビンA(U-12)に加入した西山芯太くんが所属していたFC PORTAの羽毛勇斗監督は、これからの代表選手には、ヨーロッパでプレーする選手たちと同じ基準が求められるようになるという。そのために、10代の選手たちや指導者に求められる「備え」について考える。 (インタビュー・構成=松原渓[REAL SPORTS編集部]、写真提供=FC PORTA)
大事なのは「指導者がどこまで考えているか」
――9歳でバルセロナのカンテラに入った西山芯太くんは、8歳でスペインに引っ越すまで、幼少期から日本で技術や考え方のベースを築きました。そのようなベースを築くために、指導者としてはどんなことが必要だと思いますか? 羽毛:指導者がどこまで考えているかがすごく大事だと思います。例えば私たちFC PORTA(以下、ポルタ)が今、選手たちに教えていることが正解だとしても、2、3年後にサッカーが変わった時に、指導者がそのサッカーにチューニングできないといけない。指導者が10年前の感覚でサッカーを教えていたらダメだし、常にアップデートしなければいけません。もちろん、最後は選手自身の問題だと思いますが、指導者が教えたポイントによってサッカーに対して高いモチベーションを持ち続けられるかどうかが決まる場合もあるので、指導者の姿勢や考え方は本当に大事だなと思います。 ――羽毛監督も、ご自身の知識や指導をアップデートし続けるのに苦労されていますか? 羽毛:それはもう、大変です。毎日、「これ間違ってるのかな?」「これでいいのかな?」と試行錯誤して頭を悩ませています。ポルタのコーチや選手によく「今日の練習どうだった?」って聞くんですが、「良かった」と言ってもらえても、自分の中ではあまりしっくりきていない時があるんです。そういう時はコーチ陣と話をして原因を考えたり、他のコーチとも「この練習ではここは良くならないよね」とディスカッションしています。「立ち止まったらまずい」という危機感は常に持っています。