海外ビッグクラブを目指す10代に求められる“備え”とは? バルサへ逸材輩出した羽毛勇斗監督が語る「世界で戦えるマインド」
世界で活躍するために必要な準備
――将来的に海外でプレーすることを目指す選手にとっては、複雑な戦術を理解するための語学力やコミュニケーション力も必要になると思いますが、小さい頃から積み重ねておいたほうがいい必須項目はどんなことですか? 羽毛:まず、言語は必要不可欠だと多います。例えば「UEFAチャンピオンズリーグに出たい」という目標があるなら、外国人監督とコミュニケーションが取れて、戦術を理解しなければ使ってもらえない。英語やスペイン語は欧州サッカー界では公用語として広く使われており、トップレベルにいったら通訳はほぼいないので、絶対に学んでおいたほうがいいと思います。 ただ、語学力があっても、自分の思いを伝える力がないと、結局は埋もれてしまいます。日本人だったら「これは言い過ぎだな」と思っても、スペインではむしろ弱いぐらいの感覚です。だからこそ、オープンマインドや、勇気を持って発言する習慣は小さい頃からつけておいたほうがいいと思います。年齢を重ねて急に変わる場合もあると思いますが、ポルタではその可能性に賭けたいとは思わないので、柔軟な若いうちに変えられるものは変えてあげたいですね。 ――ポルタの選手たちは基本的にオープンマインドなんですか? 羽毛:そうです。基本的に、話せない選手は試合でも能力を発揮しづらくなる傾向があると思っています。戦術的なことなど、考えを聞いた時に黙ってしまったり言葉が出てこないと、何を考えているのかわからないですし、仲間にも自分のイメージを伝えられません。だから、親御さんや選手から「どうやったらうまくなりますか?」と聞かれた時には、「まず大人とちゃんと話せるようになることが大事です」とお伝えしています。それを心がけたら、すぐに良くなることが比較的ポルタでは多いです。 ――どうしたら話せるようになるのでしょうか? 羽毛:まずは話を聞けるようになることが大事です。子どもたちは、大人が思っているより理解していないことがあるので、「今なんて言ったでしょう?」と聞くと、ちゃんと理解していたかどうかがわかります。大人の話を理解しないでその内容を説明しようとすると、自分でも「何言ってるんだろう」という気持ちになるので、次からはちゃんと大人の話を聞くようになる。そうすれば、自分の意思もしっかり伝えられるようになると思います。そういう部分ができるようになった上で、英語とかスペイン語ができれば、海外でもしっかり自分の主張ができるようになるのではないでしょうか。