AI向け基盤開発で協業、富士通とAMD 低コストと省電力ねらう
富士通と米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が、AI(人工知能)向けコンピューティング基盤の開発で戦略的協業を始めた。富士通は先月、米サーバー大手スーパーマイクロとの協業を発表したばかり。パートナー連携の強化により、2027年までに企業のAI導入を支援する基盤確立を目指す。 【関連写真】富士通とAMDは、コストと電力消費量を抑えたAI向けコンピューティング基盤の提供を目指す 「1+1が2より大きくなるものを提供できる」。富士通のヴィヴェック・マハジャン副社長CTO(最高技術責任者)は1日の記者会見で今回の協業の意義を強調した。 富士通は、省電力を強みとするCPU(中央演算処理装置)「FUJITSU-MONAKA」(モナカ)の開発を進めている。モナカとAMDのGPU(画像処理半導体)「AMD Instinct」を組み合わせることで、企業がAIを導入する際の足かせになっていたコストと電力消費の抑制を図るのが狙いだ。27年までにコンピューティング基盤の提供を目指す。 ソフトウエア面でも連携を行う。両社のソフトウエア開発基盤をベースにOSS(オープンソースソフトウエア)として公開し、AI向けの開発を推進。AI分野のエコシステム拡大につなげたい考えだ。 AMDのフィル・グイドエグゼクティブバイスプレジデントは「オープンアーキテクチャーによる共同研究は、イノベーションを加速させる」と語る。 共同のカスタマーセンターの提供など、ビジネス面での連携も予定。「単なる技術ではなく事業を一緒に作っていくための協業だ」(マハジャンCTO)という。 富士通は10月3日、スーパーマイクロと協業し、モナカを搭載したAIコンピューティングプラットフォームの開発を行うと発表。マハジャンCTOは「柔軟な選択肢を顧客に提示するため、幅広くパートナーシップを結んでいきたい」と強調した。
電波新聞社 報道本部