ケララ料理って何だ⁉︎ 365日カレーを食す男がハマる神の国「ケララ」のやみつきスパイス料理3選
4000軒以上ものカレーを食べ歩いてきたカレー細胞さん。 彼が激推しするのは、南インドのケララ料理。実際に現地にも赴いたことがあるというカレー細胞さんは、ケララの料理のみならず、その文化にも心酔。 【写真13点】「神の国・ケララのやみつきスパイス料理3選」の詳細を写真でチェック 北インド料理とはまた一線を画す、南インドのケララ料理の魅力とは何か? カレー細胞さんが「ここさえ押さえれば間違いない」と太鼓判を押す、都内にあるケララ料理3店を紹介する。
インド料理と聞いて、何を思い浮かべますか? コク深いバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキン これらとまったく異なるのが「ケララ料理」です。 ケララは、アーユルヴェーダの聖地やカンフーの源流の地として知られ、「神の国」と讃えられる南インドのトップリゾート地。ムガール帝国に征服された北インドと違い、独自の食文化が残る土地でもあります。 さらに大航海時代の重要拠点であったため、ケララのローカルスパイスであった胡椒に加えて、唐辛子など世界中のスパイスが集結。豊かな自然、そして異文化との交わりが生んだ「ケララ料理」は、体にしみわたる美味しさです。
実は日本人が想起するインド料理は、ムガール帝国によって支配された北インド由来のもの。南インドのケララでは、基本的にスパイスを何十種も使ってじっくり煮込むカレーは作りません。
とれたての魚や野菜、ココナッツミルクをたっぷり使い、その味と香りを引き立てるためのごくわずかなスパイスを入れる、作りたてがいちばん美味しいシンプルな料理なのです。
インド料理の既成概念を打ち破る、新しくてどこか懐かしいケララの味。
日本ではまだまだレアな専門店を巡りながら、豊かな自然と歴史に思いを馳せましょう!
① 日本の南インド料理はここから始まった! 「ケララの風モーニング」
日本におけるケララ料理、ひいては南インド料理店の歴史を紐解くうえで、絶対に外せない「始まりの店」です。 店主でありシェフである沼尻匡彦さんは、もともと貿易の仕事で南インドに渡った方。
現地の日常食に「美味しい! 絶対に日本人が好きな味だ!」と惚れ込み、1980年代から南インド料理の普及活動を日本でスタートされました。 1990年代後半~2000年代前半にはmixi、Facebookで同志を募り、食事会「グルジリ」を数百回も開催。グルジリは南インド料理店の名シェフを数多く輩出した、伝説のコミュニティです。 さらには本場の味と香りを再現するのに欠かせない「カレーリーフ」を、日本の農家さんに直談判して初栽培に漕ぎつけ、販売経路まで地道に開拓。 生のカレーリーフを使った本格的な南インド料理を日本で食べることができるのは、ひとえに沼尻さんの愛と努力の賜物なのです。 そんなパイオニアが腕をふるう店ですから、美味しくないわけがない。ここは軽食「ティファン」の専門店で、朝食や間食にぴったりな、すっきりとした味わいを楽しめます。 例えば、写真左上はラッサムというトマトスープで、浮かんでいる葉っぱがカレーリーフ。