【eスポーツの裏側】誰もが挑戦できる『オーバーウォッチ』「OWCS」が創る多様性とeスポーツの未来とはーキーマンインタビュー
――競技シーンの盛り上がりを醸成するにあたり、行っていることや国ごとの違いなどがあれば教えてください。
ベイリーアメリカとEMEAのリージョンとしては「チームファーストではなくプレイヤーファーストである」という目線があるので選手が心地よくプレイができたり存在感を示せるような作りになっています。さらにアメリカではコンテンツクリエイターや配信者でもかなり上手な人がいるので彼らがもっと競技シーンに貢献できるようなコンテンツを作れるようなプログラムもデザインしています。
クレイグ日本についてはチームに焦点をあてるために大会の作りを相当作り込みました。欧米と違ったアプローチで「予選大会は誰でもエントリーできるよ」という形で間口を広くして、予選大会を勝ち抜いた8チームが「日本の8強」ということで彼らをステージ2で総当たり戦にし、見ている視聴者の前で素晴らしいパフォーマンスをしてもらう形にしました。さまざまなストーリーを産み出し、視聴者からは良い反応を頂けたと思います。
リージョン、サブリージョン毎に大会の開催方法も少し変更しています。日本が全リージョンの中で唯一午後7時開始となっています。選手の多くが仕事を持っている方なので、仕事が終わって帰宅をした後に「『オーバーウォッチ』で戦おう!」というニーズに応えるために日本だけ特例として午後7時開始にしています。
ベイリー「OWCS」のシステムそのものが欧米とアジアで違っていて、アジアでは長めのステージを2つ用意しているのに対して、欧米では短めのステージを4つ用意しており予選を多くして勝ち上がる機会をさらに増やしています。また各プレイヤーにサーキットポイントというシステムを導入し、サーキットポイントの成績によって国際大会への出場チャンスも与えています。アジアに比べて欧米ではメンバーの規律がちょっと緩めになっているのでお互いがチーム間を移動してお互いが納得のいくチームを作っていけるシステムになっています。アマチュアレベルの「FACEITリーグ」はランク別にディヴィジョンを作っているので各プレイヤーの現在のスキルに応じたチームで戦えるようになっているので欧米ではそれがかなり人気になっています。「OWCS」に参加できなくてもチームに入ってチーム戦で戦えるということで皆さん楽しんでくれているようです。
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