北朝鮮がウクライナ戦争に派兵へ…その目的は「カネ」「実戦経験」「トランプ」
日本の総選挙が終わった。結果は、大方の予想を上回る石破茂自民党の「大惨敗」だった――。 【写真】写真家が29年間撮り続けた“北朝鮮”の日常 だが、日本が「まるで世界から切り離されたように」総選挙に明け暮れている間も、紛争は続いていた。日本時間の10月26日には、ついにイスラエルがイランの軍事施設を標的にして、「報復攻撃」を始めた。ハマスによるイスラエル奇襲攻撃(昨年10月7日)から1年あまりを経て、中東の混乱は収まる気配が見えないどころか、戦火はますます拡大しつつある。 そして、もう一つのウクライナ戦争にも、新たな動きが起こっている。「日本の隣国である」北朝鮮が、ついに「ルビコン川」を渡ったのだ。
韓国国家情報院の衝撃の発表
この「北朝鮮軍が参戦」という衝撃のニュースは、世界に先駆けて韓国から発せられた。10月18日、韓国政府の情報機関である国家情報院(NIS)が、22枚もの「証拠写真」を付けて、次のように発表したのだ。少し長くなるが、発表文の全文を訳す。 <国家情報院は今年8月初め、北朝鮮のミサイル開発の核心的人物である金正植(キム・ジョンシク)軍需工業部第1副部長が、数十名の北朝鮮軍将校とともに、数度にわたって、ロシアとウクライナの前線付近にある北朝鮮の「KN-23ミサイル」発射場を訪問、現地指導をしている状況をキャッチした。 その後、国家情報院は北朝鮮軍の動向に密着して監視している中で、北朝鮮が今月8日から13日まで、ロシア海軍の輸送艦を使って、北朝鮮の特殊部隊をロシア地域に輸送しているのをキャッチ、北朝鮮軍の参戦開始を確認した。 国家情報院によれば、ロシア太平洋艦隊所属の上陸艦4隻と、護衛艦3隻が、同期間に北朝鮮の清津(チョンジン)・咸興(ハムン)・舞水端(ムスダン)付近の地域で、北朝鮮の特殊部隊1500人余りを、ロシアのウラジオストクへと、第1次移送を終えた。早晩、第2次輸送作戦が実行される予定だ。 ロシア海軍艦隊の北朝鮮海域への進入は、1990年が最後だった。またロシア空軍所属のAN-124などの大型輸送機も、ウラジオストクと平壌の間を、数度にわたって行き来している。 ロシアに派兵された北朝鮮の軍人たちは、極東地域のウラジオストク・ウスリスク・ハバロフスク・ブラゴベセンスクなどに分散しており、現在ロシア軍部隊に駐屯中である。適応訓練が終わり次第、前線に投入されるものと見られる。 金正恩(キム・ジョンウン)は、先月11日と今月2日、派兵を前にして特殊戦部隊を2度にわたって視察した。 北朝鮮軍はロシアの軍服とロシア製の武器を支給され、北朝鮮人と似た容貌のシベリアヤクティア・ブラティヤ地域の住民に偽装し、身分証明書も発給された。戦場への投入の事実を隠すため、ロシア軍に偽装したものと見られる。 国家情報院は、北朝鮮が昨年8月以後、現在まで、計70回以上にわたって、1万3000個余りのコンテナに相当する分量の砲弾・ミサイル・対戦車ロケットなどの人命殺傷武器を、ロシアに支援したものと判断した。 ウクライナの国防情報総局が戦場で回収した北朝鮮製の武器を確認した結果、北朝鮮がロシアに支援した武器は、122mm砲弾・152mm砲弾・「火鳥―4」対戦車ミサイル・「NK-23」などの短距離弾道ミサイル・「BPG対戦車ロケットなどだった。 その間、北朝鮮とロシアを行き来した貨物船に出荷されたコンテナの規模を勘案すると、現在まで122mm砲弾・152mm砲弾など、計800万発以上が、ロシアに支援として渡ったと見られる。 ウクライナ政府は、北朝鮮がロシアに支援した「KN-23短距離弾道ミサイル」が、ウクライナの首都キーウなど、主要都市への攻撃に活用され、そのために相当数の民間の死傷者が出たと発表したことがある。 しかしウクライナ政府当局は、多数の北朝鮮製武器が、不良品の割合が高く、精度が低いため、精密打撃用よりも、前線を維持する目的の物量攻勢用に使っていると分析した。 国家情報院の関係者は、次のように明らかにした。 「この間、海外メディアが提起した『ロシア・北朝鮮直接軍事協力』疑惑が、公式的に確認された。友好国との緊密な情報協力を通して、ロシア・北朝鮮の軍事協力の動向を引き続き追跡、確認していく」> 以上である。「砲弾など800万発以上」とは、途方もない量である。仮に1発で一人の敵を殺傷したなら、800万人も殺傷できることになる。そして、ついには兵士も送り込むのだ。