<AI化>の影響を受けにくいのは「YouTuber」「美容師」「パン屋」…その理由は?AI研究者「カギはフェイス・トゥ・フェイス」
◆「人の手」の信頼感 パン屋さん、ケーキ屋さん、お花屋さんも同じでしょう。 AIやロボットが正確かつきれいに焼いたパン、AIがおすすめしてくれる花束も悪くはありませんが、すでにうまく商売をしている人たちは、やはり自分のセンスや味に魅力を感じてくれているリピーターが存在しているからこそなのではないでしょうか。 もっとも、こうした小さなサービス業の主人も、自分の「助手」としてAIを取り入れることは大いにあり得るでしょう。 顧客の顔や髪型を撮影して分析すること、最近流行のスタイルを試しに適用してみることなど、いままでとは違った価値が提供できる機会はありそうです。 ただそれでも、やはり最後は人の手になるでしょう。 よく知っている人に任せることへの安心感、信頼感には、それ自体に価値が存在するからです。
◆AI時代に残る「働く価値」の姿 そして、忘れてはならないのは、こうした小さい単位の「お店屋さん」も、あくまで経営者である点です。 彼らは決して言われたまま動いているわけではなく、どこに出店し、いくらの値段を付け、どんなことにコストをかけ、何を勉強し、誰を顧客として大切にするかなど、すべてにおいて自ら「意思決定」している主体なのです。 私はむしろここに、AI時代に残る「働く価値」のわかりやすい姿があるのではないかと思うのです。 ※本稿は、『10年後のハローワーク これからなくなる仕事、伸びる仕事、なくなっても残る人』(アスコム)の一部を再編集したものです。
川村秀憲
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