90年代アウトローシーンを風靡:ガルフィーの進化と再生
令和が近づくにつれて、さまざまなブランドが復刻を果たしたが、その中でも異彩を放っていたのがガルフィーだ。 90年代レディースブランドの流行回帰ラッシュが勢いを増すなか、長年沈黙をしていたメンズブランドの復活で世間をにぎわせた。 かつてはアウトロー系ブランドとして一世を風靡したガルフィーは、現在どのように進化しているのだろう。また、ドン・キホーテなど、他のアパレルブランドとは一線を画すコラボレーションはどのようにして生まれたのだろうか。 今回はガルフィーのデザイナー石川倫さんに、ガルフィーのアウトロースタイルや現在のストリートカルチャーについてお話を伺った。
アウトロー系ブランドとして君臨していた90年代のガルフィー
ガルフィーといえば90年代ではアウトロー系の人に好まれていたブランドだ。 現在では、インフルエンサーが愛用するストリートファッションのイメージが強いが、世代によってはアウトロー系の人たちのブランドといった印象が強いだろう。 90年代のガルフィーは、どのようなブランドだったのだろうか。 「僕もその当時いた人間ではないのではっきりとは知らないのですが、もともとアウトローの人たちを狙ったブランドというわけではなかったようです。 たまたまそういう人たちが来るようになったみたいな感じですね。でも、もとはヴェルサーチェのセットアップあたりから着想して始まったブランドらしいので、それの安価バージョンといった感じで生まれたブランドですね」
ガルフィーの特徴でもある、骨を咥えた犬のキャラクターは、ポップでかわいい印象だが、面白いことにアウトロー系の人たちに長年好まれている。このかわいさとアウトローのギャップもガルフィーの魅力でもあるが、何故アウトロー系の人に好まれているのだろう。 「たとえば、キティちゃんのサンダルなんかもヤンキーの人が履いているじゃないですか。 ああいう感覚に近いと思いますね。僕は『メンタルかわいい』と呼んでいるのですが、イカつい人たちは、意外とかわいいものが好きなところがあるように思います」