90年代アウトローシーンを風靡:ガルフィーの進化と再生
リブランド当初から、SNSを中心に若者に人気だった印象があるが、意外にも周囲に理解されるのは時間がかかったという。当初は、ヤンキーやヤクザが着ていた印象がまだ強く、若者の受けは良くてもバイヤーには良く思われなかった。 「今はリブランドした印象が強いので全然そのようなことはないですが、当初から新生ガルフィーのコンセプトを理解してくれたお店は、やっぱりよく売れていますね」 平成から続いていたガルフィーは、一旦停止をしても、若者に人気があるのは令和でも変わらない。ガルフィーを購入する年齢層にも変化はあったのだろうか。 「年齢層は、リブランドした当初からずっと変わっていないです。今は基本的に10代と20代。ただ、昔のガルフィーの方が年齢層が高いかもしれないですね。10代後半から30代みたいな。 10代、20代はいつの時代も変わらずファッションに対して前向きなので、その世代に的を絞った方がやりやすい。 若い世代は値段の安さ、高さよりも、欲しいものはちゃんとお金を払って買います。今後も、安く作ろうという気もないし、高く作ろうとも思わない」
一線を画す、スパイスの効いたコラボレーションの数々
ドン・キホーテに木下優樹菜、ガルフィーがSNSを通じて発表するコラボレーションには、毎回驚かされてしまう。コラボレーションする際は、どのようなことを意識しているのだろう。
「ブランディング的に黒歴史があるじゃないですか。ヤンキーやヤクザといったアウトローな人たちに好まれている黒歴史みたいなのを逆に利用して、自虐的にいじって面白くするみたいな。 だからモデルさんも、絶妙にちょっと危なっかしいところを意識して起用するようにしていますね」
モデルの木下優樹菜だけではなく、ラッパーのPizzaLove(ピザラブ)とのコラボレーションも異彩を放った。ガルフィーの公式ソングとして、PizzaLoveは『GALFY』を発表。 たちまちに曲はバズり、ガルフィーの公式ソングはシリーズ化した。 「なんか、昔もガルフィーを着ている奴って本当に怖い奴じゃなかったじゃないですか。本当はヤンキーが怖いのに憧れているパターンのヤンキーが着ているイメージです。 ジャイアンの隣にいるスネ夫じゃないけど、そういうイメージだった。そんなちょっと狡い雰囲気というか、憎めない部分というのも、なんとなくブランディングに入っていたりしますね」 ドン・キホーテとのコラボレーションが絶大なインパクトを残したのも記憶に新しい。 驚安の殿堂として君臨する、日本最大級の総合ディスカウントストアとガルフィーのコラボレーションに驚いた人も多いだろう。どのような経緯でドン・キホーテとのコラボレーションが決定したのだろう。