老後のひとり暮らしに向く人は「部屋」を見ればわかる?遺品・生前整理会社代表「<ゴミ屋敷>と<モノ屋敷>は別のモノ」
◆貴重品があちこちに散らかっている 私たちのような業者が遺品整理に行ったとき、早めに確認しておくことがあります。なんだと思いますか? それは、お金や通帳や印鑑など、貴重品のありかです。 衣装箪笥のいちばん上の引き出しだったり、女性だったら化粧台の引き出しだったりと、ある程度は傾向があるのですが、当然人によってバラバラですから、家のあちこちに無造作にしまわれていることも、多々あります。 なぜ早めに確認したいかというと、もちろん死後の手続きに必要なものだからです。 万が一、後で「見つからない」と騒ぎになったり、うっかり処分してしまったりしたら、とんでもないことになります。 余談ですが、あるお宅でお菓子の箱を開けたら、数百万はあろうかという札束がぎっしり入っていたことがあります。 私たちは逐一中身をチェックするので発見できますが、ご家族の方などが見たままのゴミだと思って捨ててしまう危険性もゼロではありません。 ちなみに遺品整理の現場では、室内の分別作業に参加する従業員は長年の経験のある信用ある自社スタッフに限定します。 というのも、この業界でいちばん怖いことですが、こっそりネコババする人間が紛れ込むのを防ぐためです。 残念ながら身内の方が窃盗を働くケースもあるようですが、外部の業者に依頼する場合は、派遣スタッフが入っていないかや、その会社の社歴を調べるなど、より慎重になったほうがよいでしょう。 さて、こうした貴重品の類がなかなか見つからなかったり、あちこちに点在したりしている人は、やはり総じて整理整頓がなされていません。 自己管理が苦手で、相続でも「え? そんな資産があんなところにあったの?」などとトラブルを招きがちです。 決して誤解してほしくないのですが、貴重品をわかりやすいところにまとめておきましょう、と言いたいわけではありません。防犯の意味では、見つかりにくいことはむしろメリットでもあります。 ここで言いたいのは過去にあった傾向と、そこから意図して管理されていたかどうかがわかる、という点にすぎません。