ミニストップが新型店舗で狙う〝専門店品質〟 ドリンクメニューを新たな収益源に
イオン傘下でコンビニを展開するミニストップは20日、東京・神田に新型店舗をオープンした。生鮮食品などスーパーで扱う商品も拡充させながら、同社の大きな強みとなる店内で調理して提供するファストフード(FF)の機能を強化した。利益率の高いFFは〝専門店品質〟を訴求し、メニューを拡大。暑い日の長期化を見据え、特にドリンクメニューに力を入れる構えで、新たな収益源に育てる狙いだ。 ■冷たい飲料市場拡大の期待 「冷たいドリンク領域はかなり伸びると思っており、強化していくつもりだ」。ミニストップの藤本明裕社長はこう強調する。 その理由は二つあるという。一つ目は、米ファストフード大手マクドナルドが、昨年末にコールドドリンクを中心に扱う新ブランド「CosMc's(コスマックス)」を出店するなど冷たい飲料市場の拡大期待が世界規模で増していること。二つ目は、温暖化により国内でも暑い日が長期化傾向にあることだと指摘する。 こうした理由から、今回の新型店舗では、店内調理のFFで新たに冷たい飲料メニューを拡充した。同社のソフトクリーム専門店「MINI SOF(ミニソフ)」で提供している「ごろっと果実のふりふりシェイクソフト」と「どっさり果実のフルーツティー」(各583円)といったデザートドリンク計5品を販売。ジャスミンティーや凍頂烏龍茶(各345円)などのティーメニューも追加し、コーヒーを選びがちな消費者に新たな選択肢を提供する。 ■高い利益率のFFで稼ぐ構造に FF商品を拡充する背景には、販売価格の約5~6割という高い利益率がある。店内に並ぶ一般商品の利益率(約3割)に比べても大きい。同店ではスーパーのように一部食品の販売価格は安くする一方、店内調理による付加価値でFF商品の価格を高く設定。利益をFFで稼ぐ事業構造を目指しており、「売上高に占めるFF比率を現在の約15%から20%以上に引き上げる」(藤本社長)考えだ。 飲料以外でも、同社の人気商品の店で炊いたご飯で作る「手作りおにぎり」の種類も拡大。食物繊維が豊富な「十穀米」を使ったおにぎりなど、健康志向の高い女性をターゲットにした新たな商品を加えた。