「明大前駅」には何がある? 行列ラーメン屋やコーヒー店も有名な学生街、昔の駅名は「火薬庫前駅」!?
◆首都高の先にある「明治大学 和泉キャンパス」
明大前駅からの散歩におすすめなのは、やはり明治大学近辺でしょう。 駅を出て北方向に少し歩き、甲州街道(首都高速4号新宿線)を歩道橋で渡ります。橋の両側にエレベーターが付いているので、ご老人や車椅子の人でも利用しやすい構造です。ここを数多くの大学生が、大学から駅へ、駅から大学へと渡っていきます。 歩道橋を降りた先はすぐ「明治大学 和泉キャンパス」の正門です。 この近くにある「塩硝蔵地跡」は先述の通り、この地域に江戸幕府の弾薬庫があった歴史を示しています。当時は貯蔵庫だけで約2万3000平米もの規模があったそうですが、明治を経て大正時代にはその役割を終え、現在は看板表示のみが名残となっています。 その跡地に移転してきたのが、1923年の関東大震災で駿河台キャンパスが全焼した「明治大学」であり、現在は「和泉キャンパス」として多くの学生や知識人を迎え入れています。なお、受付で確認したところ、コロナ禍以降の現在では、大学と関係のない一般人の入校や見学は受け付けていないとのことでした。残念……! 大学入り口の右手には長い自転車置き場があり、その先へ進むと玉川上水の水道橋というべき大きな配管と歩道が。 玉川上水は都内西部から四ツ谷駅周辺まで流れており、都心に近づくにつれて暗渠(あんきょ)の部分が多くなるのですが、この近辺では地下を走る井の頭線を避けるため、地上配管で水を通しています。 玉川上水の水道橋と、その近くにある線路沿いの道路は井の頭線の見物スポット! 明大前駅~永福町駅間を行き来する電車を一望できます。
◆今後は、駅の高架化・再開発でさらにおしゃれ&便利に!
現在の明大前駅周辺は、京王線の連続立体交差事業に合わせ、住環境や防災能力をさらに高めるため駅前の再開発計画が進行中とのこと。明大前の路線も高架になり、駅舎自体もスタイリッシュに生まれ変わるそうです。再開発が完了すれば、明大前商店街などの雰囲気も現在からある程度、あるいは大きく様変わりするでしょう。 人通りが多い商店街の一部には、治安などでやや不安に感じる所も散見されるのですが、それに対抗するように、明大前駅の広場には「明大前ピースメーカーズボックス」という商店街主導の自警団事務所が置かれていました。公的事業と住民・商店主側の双方から、明大前では「もっといい街にしよう!」という取り組みが進行中のようです。 明大前駅は都心部へのアクセスが非常にいいだけでなく、駅前商店街がにぎわっていてスーパーなども複数あり、日々のお買い物にも休日の散策にも事欠かない住みやすさ抜群の街です。学生さんに限らず、都心近くでゆったり暮らしたい人にちょうどよさそうですね。 この記事の筆者:デヤブロウ プロフィール 都内在住の街歩きライター。Yahooエキスパートとして台東区の地域情報を発信するほか、「macaroni」など複数メディアで執筆を行う。飲食店、博物館、銭湯巡り、寺社探訪を中心に地域情報を発信中。東京シティガイド検定を取得済み。
デヤブロウ