さんまが内臓まで食べられるのは、胃がない魚だから。内臓にはビタミンAも含まれ、肌や喉の粘膜ケアに有効
◆サンマのお腹の青い点は何? 鮮魚売り場に並ぶサンマを見た際、腹のあたりに青いインクのシミのような点があるサンマを見かけたことがありませんか? 「もしかしてカビ? 病気? 寄生虫?」などと心配になるかもしれませんが、これはウロコの色。 肝臓で作られた胆汁に含まれるビリベルジンという青色の色素が骨やウロコに影響して青色になることがありますが、天然色素なのでまったく問題ありません。 サンマだけでなく、サヨリやダツという魚の骨も青色になることがあり、初めて見るとびっくりしますが、これも同様の理由で無害です。
◆サンマの内臓は肝が美味しい! 胃がなく腸も短いサンマの内臓。あのほろ苦い味はいったい何の味なのでしょう? 答えは肝臓。大海原でプランクトンをたくさん食べて健やかに育った肝臓が美味なのです。 ツウの中には肝(肝臓)を取り出して醤油と混ぜて肝醤油を作り、フライパンでサンマの肝醤油でソテーにしたりするそうです。ほろ苦い肝醤油の風味をまとったサンマ、お酒に合うこと間違いなしでしょう! 新鮮なサンマが手に入ったら、試してみたいものです。 ちなみに、サンマの栄養成分をチェックしてみると、たんぱく質はもちろん、葉酸、ビタミンB2、B16をはじめとするビタミンB群、ビタミンD、鉄、カルシウム、オメガ3のDHA・EPAなどが多く含まれています。 内臓にはビタミンAも含まれているので、肌ケア、ノドなどの粘膜のケアに有効。また、鉄やビタミンB群は、貧血からくる疲労対策、代謝アップをサポート。オメガ3による血液サラサラ作用も期待できます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 極暑の疲れで免疫が低下したり、空気が乾燥し、感染症が気になる季節がやって来ます。初秋のサンマは季節の変わり目の体のケアにピッタリ。何より、豊漁の今年はサンマの肝を美味しくいただくチャンスです。美味しいものは逃すと悔しいですから。
藤岡操