【世界遺産を巡るスリランカ旅】名作ホテルや石窟寺院を建築観光目線でご案内
インド洋に浮かび、紅茶や宝石の産地として知られる島国 スリランカ。小さな国ながらも8つもの世界遺産を有し、あの「アマン・リゾート」の原型になったと言われるホテルが存在することでも知られています。 【写真集】あの「アマン・リゾート」の原型になったと言われるジェフリー・バワ建築のホテルも! そのホテルを手掛けたのは、建築家 ジェフリー・バワ。バワは “熱帯建築家” とも呼ばれ、スリランカの自然環境や文化、西洋のモダニズム建築を見事に融合させたことで世界的に高い評価を得ています。 建築家からの支持も厚いことでも有名で、皆こぞってバワ建築を訪れているのです。 今回は、そんなバワが遺した名作ホテルたちと世界遺産を建築観光目線でご案内します。
【スリランカ 中央部】2つの古代遺跡と森に埋もれる絶景バワホテル
・シギリア・ロック / 世界遺産 スリランカ中央部、アヌラーダプラ、ポロンナルワ、キャンディの3都市を結んだ三角形の内側は、“文化三角地帯(Cultural Triangle)” と呼ばれる世界有数の遺跡群が集中しているエリアです。 ここでご紹介するのは、 “文化三角地帯” のジャングルに忽然と聳える岩山「シギリヤ・ロック」。 驚くべきは、今からおよそ1500年ほど前、高さ約195mの頂上にかつての王族が王宮を築いて暮らしていたということ。 現在は、レンガ積みの王宮跡や岩壁に描かれた “シーギリヤ・レディ” と呼ばれる世界的にも有名なフレスコ画などが見学可能。 頂上からは広大なジャングルを見渡す絶景が楽しめます。 ・ダンブッラ石窟寺院 / 世界遺産 キャンディから北へ72kmの距離に位置するダンブッラには、世界遺産に登録された同国最大規模の石窟寺院があります。 紀元前3世紀に仏教僧たちの修行の場として開掘が始まり、紀元前1世紀にシンハラ王朝が建立したもので、以降も増築が続けられ、全部で5つの石窟が築かれました。 特に注目したいのは、自然石に彫られた全長約14mの涅槃仏や、壁・天井一面に描かれた壁画の数々。 岩山を掘り抜いた空間に足を踏み入れれば、その荘厳な空気にきっと圧倒されるはず。 ・ヘリタンス・カンダラマ / バワ建築 そして、「シギリヤ・ロック」や「ダンブッラ石窟寺院」を訪れるなら、ぜひ泊まっておきたいホテルがカンダラマ湖の畔に立つ「ヘリタンス・カンダラマ」です。 こちらは、ジェフリー・バワが手掛けた建築の中でも、最高傑作といわれる作品の1つ。 自然との融合をテーマで、鬱蒼とした緑のなかに埋もれる外観が象徴的です。 バワ建築は、 “建築的プロムナード” という人々に回遊を誘発させる造りも特徴的。 好奇心のままにホテルのなかを歩けば、きっと次々と現れる絶景に息を飲むはずです。 建物はダンブッラ棟とシギリヤ棟のふたつに分かれており、端から端まで歩くと約1kmとビッグスケール。 散策を楽しむならしっかりと時間を確保したいところ。 空港からかなり距離のある立地のため、世界遺産もホテル空間も十二分に味わえるよう連泊するのがおすすめです。