名古屋城天守木造復元「なるべく早いとこせんと」 差別発言問題の検証まとまる見通し受けて河村市長
名古屋城天守木造復元「なるべく早いとこせんと」 差別発言問題の検証まとまる見通し受けて河村市長
名古屋市の河村たかし市長は2日、市役所で定例記者会見に臨んだ。名古屋城天守閣の木造復元事業について、今月中にも取りまとめられる見通しとなった差別発言問題の検証報告を受け、事業は「なるべく早いとこせんと」と早急に再開させる考えを示した。 【動画】名古屋・河村たかし市長が定例会見(2024年9月2日)
「丁寧に考える」とする一方、エレベーター否定の考えは変えず
同事業を巡っては、昨年6月に開かれたバリアフリーに関する市民討論会で、一部市民から障害者に対する差別発言が出て問題となった。市は弁護士らを交えた検証委員会を設け、問題点や再発防止策などについて議論。事業は結論が出るまでストップするとしていたが、先月29日にあった委員会で、最終報告書が今月中旬にもまとまる見通しとなった。 河村市長は報告書を「ちゃんと読まさせていただいて、丁寧に考える」とした一方、事業について「木も切って保管している状況で、いたずらに時間を伸ばすことは市民に損害を与える」「名古屋は世界一のバリアフリー都市を目指す。でも文化財も守っていかなきゃいかん。文化財もみんな破壊してええという議論はありません」と、最上階まで貫くエレベーターは取り入れないという従来の考えに変わりはない姿勢も示した。 また、来年4月の任期満了が迫る中で事業をどこまで進めたいかと問われると「今まで精いっぱいやってきましたんで。どこまでっていうのはあんまりないですね」と述べた。
市教委の金品授受問題、人事に影響「なし」の報告「疑ってますわ」
名古屋市教育委員会の金品授受問題で、第三者の調査検証チームが先月28日にまとめた最終報告については、「何十年も気づかなんだ河村さんもバカかと言われるけれど、市の職員も知らなんだと言っとる。本当かどうか、いまだに疑ってますわ」と疑問を呈した。 この問題では、市教委側が少なくとも2017年度以降の7年間で、教員団体などから計2038万円分の現金や商品券と、校長や教頭などの推薦名簿を受け取っていたことが判明している。検証チームはOBらに聞き取りをした上で、金品は激務の教職員課への激励が背景にあり、推薦名簿などが人事に影響を与えた可能性は「ない」と結論付けた。市教委は報告を受けて校長らを集めた集会を開き、こうした慣習からの「決別」を宣言した。 しかし、河村市長は「決別はええんだけど、そういうのは手段ですよ」と指摘し、子どもの自殺防止対策などに真剣に取り組むよう求めた。 (関口威人/nameken)