独占インタビュー パリオリンピックでまさかの予選敗退 本多灯に何が起きていたのか
本多は大会前のインタビューで、金メダルを取るには(パリ五輪で200メートルバタフライのほか4つの金メダルを獲得したフランスの新星)レオン・マルシャンと東京五輪金メダルのクリストフ・ミラーク(ハンガリー)のふたりに勝たなければ、と語っていた。 ふたりは、本多が金メダルを獲得した2月の世界選手権には不在だった。パリ五輪ではそのマルシャン(1分51秒21)とミラーク(1分51秒75)が、いずれも本多が未踏の1分51秒台を出し、それぞれ金メダル、銀メダルを手にしている。 金メダルだけを狙っていた本多にすれば、ふたりの存在が脅威に映ったに違いない。彼らの存在が本多のメンタルに少なくない影響を与えていたのかもしれない。(つづく) 【profile】本多灯(ほんだともる)2001年12月31日、神奈川県生まれ。イトマン東進所属。幼稚園時代に兄の影響を受け、水泳を始める。2020年に日本大学に入学。2020年日本選手権の200mバタフライで初優勝を果たす。2021年東京オリンピックでは200mバタフライで銀メダルを獲得。2024世界水泳選手権ドーハでは200mバタフライで日本人初の金メダルを獲得した。2024年パリオリンピック200mバタフライに出場。
栗原正夫●文 text by Kurihara Masao