薄利多売で急成長の韓国LCC、整備士数は大手の約3分の1 務安空港事故
■「安全規定守っている」と言うが… LCC側は安全への懸念が指摘されるたびに「規定の安全指針を漏れなく守っている」と説明している。しかし、ここにも盲点がある。代表的な例が今回務安空港で事故を起こしたボーイング737型機だ。国土交通部が定めた同型機の整備基準を見ると、中間点検時間は「最短でも28分」、項目は胴体、翼、エンジン、着陸装置(ランディングギア)、操縦席など20項目と明記している。しかし、短い時間に20項目をどれだけ徹底的に点検するかは整備士次第だ。 事故機は事故の2日前の12月27日から48時間で8カ所の空港を13回往来する過密飛行スケジュールを消化し、各空港に駐機する時間は1時間ほどにすぎなかった。乗客の乗降時間を考慮すると、航空業界では整備士が操縦席に入り警告灯がついていないかをチェックし、機体の内部と内側を目視する形で整備時間の最低基準である28分を満たしていた可能性が高いと話す。航空業界関係者は「法的要件を守らない航空会社はない。ただ、整備士数人でどれだけ余裕を持って点検作業を行うかという点で差がある」と話した。整備士は不足し、仕事量は多いため、インターネット上には「チェジュ航空での整備で2年耐えられれば、どこでも耐えられる」と指摘する書き込みも見られた。 独自の整備・修理・オーバーホール(MRO)施設を備えたレガシーキャリアとは異なり、LCCにはそうした施設がなく、重要部品の手間がかかる整備は海外の整備業者に依存している。LCC1位のチェジュ航空が今年、航空機の整備・修理・改造に計上した予算は2209億ウォンにとどまる。1機当たり約53億8700万ウォン(約5億7500万円)で、大韓航空(127億ウォン)、アシアナ航空(138億ウォン)の半分以下だ。 朴淳燦(パク・スンチャン)記者