現役ドラフト 阪神が巨人から畠世周を獲得 嶌村球団本部長「先発も中継ぎも両方できる」フル回転期待
プロ野球で出場機会に恵まれない選手を他球団が獲得する現役ドラフトが9日、非公開(オンライン)で行われ、計13選手の移籍が決まった。阪神は巨人から畠世周投手(30)を獲得。通算19勝&19ホールドを記録している右腕について、嶌村聡球団本部長(57)は先発と中継ぎの両方での活躍に期待した。阪神からは浜地真澄投手(26)がDeNAに移籍する。 【写真】阪神D2位・今朝丸裕喜は「才木を思い浮かべる」と球団トレーナー「才木2世でいいんじゃないですか」 現役ドラフトで2年連続のTG移籍だ。馬場が巨人入りした昨年に続き、今年は阪神が畠を獲得。近大出身の右腕が慣れ親しんだ関西に戻ってくる。心機一転、虎でのフル回転を誓った。 「阪神タイガースの力になれるよう、目いっぱい腕を振っていきます」 2017年ドラフト2位で巨人に入団した畠は、身長186センチから投げ下ろす最速156キロの直球が最大の武器。1年目に先発で6勝をマークした。中継ぎに転向した21年は登板52試合で4勝3敗11ホールド、防御率3・07の好成績を残している。開幕前に右肘関節鏡視下クリーニングの手術を受けた23年は1軍登板なしで、今季も1試合登板に終わったが、しっかり投げられる状態にある。 11月22日の契約更改後には「個人的にはそんなに悪いとは思っていなかったんですけど、うまく(登板機会が)巡ってこなかった。すごくピッチャー陣が良かったですね」と今季を振り返っていた。リーグ優勝を支えた投手陣は層が厚く、陰に隠れる形となったが、通算119試合登板の経験はV奪回を狙う虎にとって心強い。 これまで通算19勝&19ホールドを記録。この日の現役ドラフト後に取材に応じた嶌村球団本部長は畠について「真っすぐが強くて、カット、スライダー、チェンジアップを駆使しながら投げる。先発も中継ぎも両方できる、そういうタイプだと思っている」と明かした。先発は才木、村上、大竹らが軸となるが、青柳はポスティングシステムを利用して米大リーグへの挑戦を目指す。高橋も11月上旬に「左尺骨短縮術後に対する骨内異物除去術」を受け、開幕は不透明。ブルペン陣も右腕はゲラ、石井、岡留らがいるが、不測の事態に備えて、救援投手は何人いてもいい。 今年で3回目となった現役ドラフト。22年の第1回はソフトバンクから獲得した大竹が翌23年に先発で12勝をマークし、リーグ制覇&日本一に大きく貢献。今季も11勝と、2年連続2桁勝利をマークした。昨年の第2回でオリックスから獲得した漆原は今季、救援で38試合に登板。現役ドラフトで加入した2人は大きな戦力となった。3年連続の投手獲得。畠も虎で復活できると信じている。嶌村球団本部長は「リストアップの中から、ウチの中に入ってきても行けるだろうということで獲得はさせていただいた」と自信たっぷりに話した。