「楽しさと満足感を保証」の線路上のレストラン、「2回目の朝食」も可能? 食堂車の料理も高評価、カナディアン乗車記③「鉄道なにコレ!?」【第59回】
ラムチョップの他には鶏肉、ベジタリアン用料理、スパイスを利かせた焼きサーモンも選択でき、サーモンを選んだ女性も「実に素晴らしいわ」と称賛していた。 後日、米国ニューヨーク中心部マンハッタンを訪れた際に息子が「おいしいラムチョップを再び食べたい」と言ったため、1984年に公開された人気映画「ゴーストバスターズ」に登場する高級レストラン「タバーン・オン・ザ・グリーン」で56米ドル(約8500円、税金など別)のラムチョップを注文した。美味だったものの、息子の判定は「カナディアンで食べた味の方が上だった」。 高級レストランを凌駕する評価を受けるとは、〝カナディアン亭〟恐るべし…。 ▽「2回目」を皮肉ったウェイターの正体は… さて、同じテーブルの男性が「2回目の朝食」を味わったとの〝告白〟は思わぬ人に聞かれていた。隣のテーブルの乗客が平らげたケーキの皿を下げようとしていたウェイターが、こちらに視線を送りながら「よろしければ2個目のケーキはいかがですか?」と声を張り上げたのだ。
すると、皮肉られたことに気づいた男性はすかさず「それは僕のアイデアだぞ!」と返し、皆で大笑いした。 このウェイターのトーマスさんとは今回初対面だったが、奇遇にもご家族と会ったのは「2回目」だった。本連載第37~42回でご紹介したVIA鉄道の中部マニトバ州ウィニペグ―チャーチル間の夜行列車を往復した旅行記で、「対応が素晴らしく、おもてなし精神がにじみ出ていた」と賛辞を贈らせていただいたサービスマネージャー(客室責任者)のジェニファー・ロイさんのパートナーだったのだ。 そこで終点のバンクーバー駅に到着後、トーマスさんとサービスコーディネーターのピジョンさんを撮影した画像を添付して「カナディアンに乗って素晴らしい方と出会いました」とジェニファーさんに電子メールで報告した。 ジェニファーさんからは「それは良かったわ!」と返信があり、末尾には「ウィニペグ―チャーチル間の列車には次はいつ乗りますか?ご乗車をお待ちしています」とのメッセージが添えられていた。カナディアンの乗車も、ウィニペグ―チャーチル間の往復も「2回目」を心待ちにしている。
※「鉄道なにコレ!?」とは:鉄道と旅行が好きで、鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」の執筆者でもある筆者が、鉄道に関して「なにコレ!?」と驚いた体験や、意外に思われそうな話題をご紹介する連載。2019年8月に始まり、ほぼ月に1回お届けしています。ぜひご愛読ください!