「楽しさと満足感を保証」の線路上のレストラン、「2回目の朝食」も可能? 食堂車の料理も高評価、カナディアン乗車記③「鉄道なにコレ!?」【第59回】
カナダ最大都市の東部オンタリオ州トロントと西部ブリティッシュコロンビア州バンクーバーの約4466キロを4泊5日、約97時間で結ぶVIA鉄道カナダの看板列車「カナディアン」が利用者向けのガイドで「楽しさと満足感を得られると保証する」と胸を張るのが食堂車での体験だ。乗り込んだシェフがカナダの食材を生かして腕を振るう料理は評価が高く、自慢のラムチョップは世界中で鉄道旅行を楽しんだ乗客が「最高だ」と絶賛した。中には大ヒット映画の台詞を教訓に「2回目の朝食」を堪能した猛者もいた―。(共同通信=大塚圭一郎) 「走るホテル」の最上級クラス、110万円払って乗り込むVIPたちの正体は… 北米大陸横断列車、カナディアン乗車記②「鉄道なにコレ!?」【第58回】
※記者が音声でも解説しています。共同通信Podcastでお聴きください。 【食堂車】主に長距離列車に乗客の食事用に連結している車両。乗客の食事用のテーブルと座席、調理用の台所と配ぜん設備を備えていることが多い。アメリカ(米国)の鉄道車両メーカーだった旧プルマンが1968年に製造した「デルモニコ」が、全室を食堂車にした客車の先駆けとされる。日本での最初の食堂車は1899年5月、旧山陽鉄道の京都―三田尻(現在の防府、山口県防府市)間の急行列車に連結された。第2次世界大戦が激化した1944年に3月で食堂車は全て廃止されたが、旧日本国有鉄道(現JR)が戦後の49年9月に運行を始めた急行「へいわ」(東京―大阪間)と急行「きりしま」(東京―鹿児島間)で復活。 東海道・山陽新幹線では全線開業した1975年3月に本格的に導入されたが、2000年3月に全て消えた(本連載第31回「(22年)5月に死去したJR東海の葛西敬之氏、社長時代に明かしていた『新幹線食堂車を廃止した理由』」参照)。現在は豪華寝台列車のJR東日本「トランスイート四季島」、JR西日本「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ)」、JR九州「ななつ星in九州」などに連結している。VIA鉄道カナダは「カナディアン」の他にカナダ東部モントリオール―ハリファックス間の夜行列車「オーシャン」にも食堂車を連結している。