三觜喜一プロが語る「ドライバーの飛距離“盛る”ゴルファーは上手くならない」理由
ゴルフシーズンを迎え、今年こそはスコアアップを目指したいと願うゴルファーも多いはずだ。そうした数多くのゴルファーの悩みに答え、絶大な人気を誇るティーチングプロの三觜喜一氏。著書『ゴルフの思考法』の中でも「スコアは打つ前に9割決まる!」と豪語する、その理由とは? 今回は即実践できるラウンド術、なかでもティーショットのマネジメントについて話を聞いた。 (以下は『ゴルフの思考法』より抜粋)
ドライバーの飛距離は180ヤードという真実
ティショットで一番大切なことは何でしょうか。 飛ばすことでも、真っすぐ打つことでもありません。ドライバーで打ったときに、自分がキャリーで何ヤード飛ぶかが正確にわかっていることです。「だいたいわかっている」と答える人もいますが、これもダメ。キャリーの正確な距離を知ることこそ、ティショットのマネジメントには欠かせないのです。 キャリーの距離がわからないと、たとえば打ちたい方向にバンカーがあった場合、越せるかどうか判断できません。ドライバーで越せるならばバンカーは無視できますが、越せなければバンカーがないサイドに打つ、バンカーまで届かないクラブを使うなどのマネジメントが必要になります。正確なキャリーの距離を知ることは、マネジメントするうえで絶対条件なのです。 「だいたい240ヤードぐらいは飛びますね」 私の知る限り、こう発言する80以上を打つゴルファーのほとんどは、自分の飛距離を誤解しているか、〝盛って〟います。アマチュアの方の場合、ドライバーで210ヤードキャリーすればまあまあの飛ばし屋で、そこまで飛ぶ人はほとんどいません。 ところが、弾道計測器でキャリーが180ヤードと計測されると、みんながみんな「機械が壊れていないですか?」と驚きながら言います。キャリーで240~250ヤード飛んで当たり前と思い込んでいる人がすごく多いのです。
役に立たないプライドは早く捨てる
ランを含めてMAX飛んだ距離を自分の飛距離と考えている人が多く、挙げ句の果てに、220ヤード飛ぶ女性と回った男性が飛距離で負けると、次のラウンドで「この前一緒に回った女のコは250ヤード飛んでたよ!」なんて言うありさまです。 女性アマチュアも同様で160ヤードのパー3だったら、ほぼ全員ティショットはドライバーでいいはずなのに、大きいと思って3番ウッドを持つ人がいます。しかし、それでワンオンした人を私は見たことがありません。 スコアメイクに直結するマネジメントをしたければ、何の役にも立たないプライドはとっとと捨てて現実を直視すること。自分のキャリーを正確に把握していれば、コースマネジメントも自ずと決まってきます。 距離計測器でティイングエリアから距離を測る際も、トラブルエリアまでの距離を測定すればいい。ハザードまで何ヤードなのか、OBまでの距離は何ヤードなのか。ローハンデのゴルファーほど、それを調べてどこに打つかを決めているものです(余談ですが、私の経験上GPSの計測数値は眉唾。私は手持ちの距離計測器しか信じていません)。 キャリーの距離がわかっていない人は、まずそれを正確に把握する。これがコースマネジメントの一丁目一番地であり、ゴルフのスコアを良くする第一歩なのです。 【三觜喜一】 みつはしよしかず●’74年、神奈川県生まれ。日本プロゴルフ協会認定ティーチングプロA級。ジュニア育成、ツアープロコーチとしても活躍。YouTubeの「三觜喜一MITSUHASHI TV」は登録者数41万人超
日刊SPA!