東京・大阪連携会議が初会合(全文1)都市力を強化し、国全体の成長につなげる
東京2020大会に向けた都の取り組み
司会:ありがとうございました。それでは続きまして、小池知事より東京2020大会に向けた都の取り組みを紹介していただきます。お手元にございますタブレットをご覧いただきたいと思います。画像も出ます。よろしくお願いいたします。 小池:それでは私のほうから、来年に迫りました東京2020大会について、都の取り組みについてご説明をさせていただきます。この会議でございますが、このメガイベントの成功を通じて、都市力を強化するということが大きな目的。その結果、日本全体の成長を実現していくという流れでございます。 まず東京都でございますが、私知事といたしまして3つの柱を申し上げて施策を作ってまいりました。実践してまいりました。セーフシティ、ダイバーシティ、スマートシティ、この3つでございます。これらが跳躍台として東京2020大会の成功にも持っていく。もしくは東京2020大会が跳躍台としてダイバーシティ、スマートシティ、セーフシティが達成される。この相乗効果ではないかと思っております。時間が短いので、共通する課題についてのみ取り上げさせていただきたいと思います。まず、バリアフリー、それからボランティア、交通需要マネジメント、暑さ対策。この4題でいきたいと思います。 まずバリアフリーの観点ですけれども、東京は実は64年の第1回のときが初めてオリンピックとパラリンピックが同時というか、同時期に行われたということで、二度目のパラリンピックはこの東京で行われるということになります。これを契機にいたしまして、ハードとソフトの両面から都市をバリアフリーにしていくという目標を持っております。競技会場はもとより、観光施設周辺、それから都道などバリアフリー化を先行して進めまして、そして鉄道の駅のホームドアやエレベーターの設置やトイレの洋式化などもこのジャンルに入ります。 それからこれからの議会にかけますけれども、お諮りいただきますけれども、宿泊施設につきましても障害者や高齢者なども含めまして、誰もが利用しやすい環境をつくるということで、新築・増築を伴います宿泊施設、1000平方メートル以上でございますけれども、全国で初めて一般客室の守るべき基準というのを、バリアフリーの基準というのを条例化することといたしております。浴室などの出入り口の幅については努力義務とするという中身になっております。 それからこれも万博とも共通するのが、各国からお客さまが来られるということで、サイネージですね。案内サインの多言語化ということで、これも1つのバリアフリーだというふうに考えますと、この点などはICなどを有効に利用して、多言語化を徹底して進めるということでございます。 それから次にボランティアでございますけれども、選手や観光客、観客の方などをご案内するのが都市ボランティア。これが最近名前が付きまして、シティキャストといいますけれども、これは大会運営のほうのフィールドキャストと合わせますと3万人と8万人で計11万人募集をさせていただいたところ、例えばシティキャストのほうには2万人のところ3万6000人の方々にご応募いただきまして、関心は高いということかと存じます。それからそのシティキャストの皆さんには幅広い分野の研修を受けていただいて、開催都市の東京であるとか、空港、駅、観光地、ラストマイルなどなど、そのボランティアの役目を果たしていただくということでございます。まさしくおもてなしの精神を発揮していただく方になろうかと思います。 次に輸送の問題でございますけれども、昨年の10月に大会輸送影響度マップという、今ご覧いただいている地図でございますけれども、こちらのほうに交通対策を何もしなかった場合と、ちゃんと策を講じた場合という形で発表させていただきました。どのような影響が出るかということでございまして、大会時の円滑な輸送の実現、経済活動としても望ましい基準。つまり大会をやっていて景気が悪くなったというのではなくて、経済もそのまま運営できて大会も成功したという、この両方を求めるようにしてまいりたいと考えております。 それから、TDMと呼んでおりますけれども、交通需要マネジメント、これが要になりまして、きのうは経団連で企業の皆さま方にお声掛けして、このTDMからスムーズビズと今、総称して呼んでいるのですが、テレワークを含んだり、それから時差Bizと呼んでいる、朝早い電車を何本か鉄道会社に通してもらうなどの作戦で、交通対策をやっているのですが、非常に多くの方々お集まりいただいて、きのうは600社ぐらい。そして会場に入りきれず、今度は金曜日にまたやるということで、非常にこの交通需要をどうするかというのは、大阪にとりましても大きな課題になってくるかと思います。 このような国と組織委員会と2020TDM推進プロジェクトというのを立ち上げておりますので、企業の皆さま方には工事のタイミングであるとか、それから夜間の通行などなど、さまざまな、それからルートの変更ですね。こういったことでご協力いただくように諮っているところでございます。 それから、2020年のオリンピックは7月24日から、パラリンピックが終了するのが9月の6日ということで、夏場でございます。万博も半年間開かれるということで、季節、暑い部分もあろうかと思います。ていうことで暑さ対策も重要な課題ではないかと思います。都におきましては道路の遮熱性舗装というのを行っておりまして、特にロードレースなどが行われる道路につきましては遮熱性の歩道をつくって、コスト的には1.2倍ほど掛かりますけれども、いろんな、科学的な調査では8度ぐらい温度を下げることができるということ。それから微細ミストっていって、このミストですね。水滴が噴霧される、これなどある種ハイテクの部門でございます。逆にローテクといわれるのは、うちわとか、それから帽子かぶってもらう、かち割り氷、甲子園じゃないですけどね。そういうある種、ハイテクとローテクの組み合わせでこの暑さ対策を進めていこうと考えているところでございます。 この暑さ対策は本当に喫緊の課題で、さあ、今年の夏、いろんな、その点のテストをいたしますけれども、どんな夏になるのか、こればっかりは祈るばかりでございますが、しっかりこの夏を活用して、暑さ対策、一番ベストなものを求めてまいりたいと思いますし、それをまた大阪のほうに活用していただいて、5年間でさらに、イノベーション早いですからね。またさらに有効なものにして、世界に売れるぐらいのことをやっていただきたいというふうに思っております。 ということで、気候変動なども大きな、都市としての課題でございますので、ぜひお互いに知識や知見を共有することによって都市が抱えている共通の課題の解決、向かいたいと思っております。ちなみにF1レースを大阪でされるなら、ぜひフォーミュラEということで、EVでやっていただくのがよろしいんじゃないかなというふうに思います。 駆け足でご説明させていただきましたが、いずれも共通するイベントを開催する際の大きな課題になろうかと思います。特に今年はG20をすでに大阪のほうでなさいますので、ある意味でそこからも逆に東京も学ばせていただこうというふうに思っております。お互いに成功するように頑張ってまいりましょう。ありがとうございました。