【40代・50代、心不全パンデミックに要注意!④】簡単だけど続かない? 心臓の健康を保つ10の生活習慣
近い将来、深刻な心不全パンデミックが起きると予測されている。現在の患者数は約120万人であり、2030年には130万人に達すると予想されており心不全は他人事ではない。40歳頃からの予防が肝心。では、どのようなことを心がければいいのだろうか? 心臓病のスペシャリストである医師の大島一太さんに伺った。
簡単なのに実践しにくい! 心臓力を高める10の生活習慣
「心不全と聞くと、心臓の働きが弱くなり、息切れやむくみなどの重い症状を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実はそれだけではありません。心臓に負担がかかっている状態を広く心不全と考えます。 例えば高血圧や貧血、喫煙による肺の病気も、直接心臓の病気ではありませんが、心臓には大きな負担をかけており、広い意味で心不全ととらえます。 特に高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病、喫煙などは、心不全のリスクを高める予備軍です。心不全は高齢者だけの病気と思われがちですが、実際にはこれらの予備軍が40歳頃から徐々に増えてきます。 症状がないうちから意識を高め、これらの生活習慣病を適切にマネジメントすることで、心不全のリスクを大幅に減らすことができるのです」(大島先生) ※詳しくは第1回<【40代・50代、心不全パンデミックに要注意! 】50代以上の多くが「隠れ心不全」!>、第2回<【40代・50代、心不全パンデミックに要注意!】40代からの心臓をむしばむ、5大リスクとは?>参照。 では、どのようなことを実践すればよいのだろうか? よく知られている健康法も、意外と実践できていないことが多いかもしれない。そこで、おさらいも兼ねて、心臓力を高めるためにすぐに実践できる最も簡単な10の生活習慣をご紹介しよう。 【その1】朝日を浴びて元気な一日をスタート 「私たちの体には24時間の体内時計があり、これが血圧や体温、心拍数、ホルモン分泌などを時間ごとに調整しています。朝起きて昼間に活動し、夜眠るというリズムを保つことは、生理機能を整え、健康を維持するためにとても大切です。このリズムがくずれると、代謝や免疫機能が乱れ、生活習慣病のリスクが高まります。 そこで、朝起きたら、まずはカーテンを開けて外の空気を取り入れ、朝日を浴びましょう。光は体内時計に大きく影響し、朝に光を浴びると朝型に、夕方以降に光を浴びると夜型にシフトします。昼まで寝て朝日を浴びないと、徐々に夜型にシフトしてしまいます。 朝型の生活に切り替えると、昼間のパフォーマンスが向上し、夜もよく眠れるようになります。これにより、体内時計が整い、体調も改善されます」 【その2】体を目覚めさせる1杯の白湯 「寝ている間は飲食をしないうえに汗もかくので、朝起きたときの体は脱水状態になっています。血流を促すためにも、朝起きたらまず水分を補給しましょう。ただし、冷たい水は血管や筋肉を緊張させるため、一度沸騰させて冷ましたお湯(白湯)を飲むのがおすすめです。 白湯は体を温め、筋肉をリラックスさせ、腸の働きを活発にします。朝に白湯を飲むと、トイレの習慣も整いやすくなり、健康によい効果が得られます」