気になる妊娠中期のおなかの張り「心配のない張り」と「危険な張り」を知っておこう【産婦人科医】
妊娠中期は、体調が比較的安定する時期とはいえ、おなかの張りは気になるもの。どんなことに注意すればいい? 危険なサインは? 帝京大学医学部附属病院・笹森幸文先生(産婦人科教授、総合周産期母子医療センター長)に伺いました。 【画像】How to会陰マッサージ
心配のない張りと危険な張りがある
切迫流産・切迫早産の症状として、おなかの張りや痛みが起こることがあります。ただし、すべてのケースが切迫流産・切迫早産につながるわけではありません。たとえば、子宮が大きくなるときに起こる収縮は、生理的なおなかの張りで、心配のないケースがほとんどです。 大切なのは、どんな症状が危険か? を知っておくことです。
妊娠中期によくある、心配のない張り
妊娠中期は、急激に子宮が大きくなるので、子宮を支えている円靭帯(えんじんたい)が引っ張られて痛みを感じることがあります。また、おなかが大きくなるときに、皮膚が引っ張られて張りのように感じたり、胎動が刺激となって、張りを感じたりすることも。これらは心配のない張りです。 そうはいっても、油断して動きすぎたり、無理をしたりすると、危険な張りを招くことにも…。おなかが張っていると感じたら、休息をとることが基本です。
心配のない張り
・円靭帯が引っ張られる ・子宮が大きくなる ・便秘 ・胎動
注意したい!危険なおなかの張り
横になっても張りや痛みが治まらない、出血を伴うといった場合は、危険な症状の可能性も。直ちに産院に連絡しましょう。 健診で「子宮頸管が短め」「前置胎盤の疑いがある」と指摘されたことがある人は、とくに注意が必要です。
危険な張り
・痛みや張りが治まらない ・出血を伴う ・おりものの異常がある 監修/笹森幸文先生 取材・文/栗本和佳子、たまごクラブ編集部 妊娠中期は、急激に子宮が大きくなる時期なので、ときどき、おなかに張りを感じるママも多いでしょう。心配のない張りも多いのですが、少しでも不安なときは産院に相談をしましょう。 参考/『中期のたまごクラブ』2024年秋号「妊娠14週~27週を一気見!注意すべき体の変化&やっておくことすべて」 ●記事の内容は2024年9月の情報で、現在と異なる場合があります。 監修者 【産婦人科医】笹森幸文 先生 PROFILE: 帝京大学医学部附属病院 産婦人科教授、総合周産期母子医療センター長 帝京大学医学部卒業。同大学産婦人科講師などを経て、2021年より現職。医学生の指導やハイリスク妊婦さんの診療を担当。
たまひよ ONLINE編集部