長友佑都が語った古巣FC東京カムバック論と新型コロナ禍の今、考えること…「サッカーは生きていくために必要ではないが幸せになるために必要なもの」
J1でプレーしたのは2年半だけだったが、それでもプロとして歩み出すチャンスを与えてくれたFC東京へ抱く感謝の思いを、あらためて確認するきっかけが新型コロナウイルス禍に見舞われた中断期間になったのだろう。インテルや日本代表で刻んできた歴史を振り返りながら、長友は「自分で言うのも何ですけど」と断りを入れた上でこんな考えを明かしている。 「多少なりとも自分がこれまでに積み上げてきたものや、影響力というものがありますけど、応援してくれる人であるとか、サッカー自体に影響力がなければいまの自分は確実にない。こういう状況だからこそ、アスリートや影響力のある人はそれらを返す時間なんだ、と思っています。みなさんからもらったもので、何ができるのかを自分なりにいろいろと考えてやらせてもらっています」 4月中旬だけでも動画投稿サイトYouTubeに自身のチャンネルを開設し、午前、午後と過酷なメニューで二部練習を課している体幹トレーニングの様子を公開。日本の医療従事者への寄付や、新型コロナウイルス禍で苦しむひとり親家庭を支援する寄付を募るクラウドファンディングを立ち上げている。 長友自身は2月に入って、リーグ戦に臨む登録メンバーから外されている。ガラタサライの一員でありながら、公式戦のピッチには立てない状況を「悩みの処理能力が早いんですよね。自分の強みというか、逆境が大好物なんでしょうね」と身体を鍛え直す時期だとポジティブに受け止めている。 「体幹トレーニングをしすぎてもうキレキレ。身体は仕上がりまくっていますよ」 トルコリーグの先行きが見えないなかで、長友とガラタサライとの契約は6月末に満了を迎える。フィールドプレーヤーでは日本代表で初めてとなる、4大会連続の出場を目指す2022年のカタールワールドカップを視界にとらえている長友にとって、大きな決断を下す時期も刻一刻と近づいてくる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)