長友佑都が語った古巣FC東京カムバック論と新型コロナ禍の今、考えること…「サッカーは生きていくために必要ではないが幸せになるために必要なもの」
おもむろにサングラスをかけ、日本語ではなくイタリア語で「ボンジョルノ」と挨拶。愛情が込められたブーイングをスタンドから浴びながら、長友佑都が誓いを立ててからまもなく10年になる。 「もっと、もっとビッグになって、世界一のサイドバックとして再び青赤のユニフォームを着て、このピッチに帰ってきます。寂しいけど、これも自分が決めた道。信念をもって戦ってきます」 岡田武史監督に率いられた日本代表が快進撃を演じ、ベスト16へ進出した南アフリカワールドカップの余韻が色濃く残っていた2010年7月17日。ヴィッセル神戸を味の素スタジアムに迎え、J1リーグが再開された第13節を終えたピッチで、長友の壮行セレモニーが開催された。 ワールドカップでの大活躍が認められ、FC東京からセリエAのチェゼーナへの期限付き移籍が決まってからわずか3日。あふれる涙を隠すためにサングラスをかけたものの、震えて途切れがちになる声を介して長友の熱き思いはファンやサポーターへと伝わり、背中を押す万雷の拍手が沸きあがった。 その後の軌跡はあらためて説明するまでもないだろう。わずか半年後には名門インテルに見初められて、実に7年間にわたってプレー。2018年2月からはトルコの強豪ガラタサライへ移籍し、日本代表としてブラジル、ロシアと3大会続けてワールドカップの舞台で戦ってきた。 カタールワールドカップを目指す森保ジャパンでも左サイドバックの座を譲らず、国際Aマッチの出場試合数は歴代2位タイの122にまで伸びた。9月には34歳となる、ベテランと呼ばれて久しい鉄人は、日本を旅立つときに交わした約束をいまも大切に胸中にしのばせていた。 猛威を振るい続ける新型コロナウイルスの影響を受けて、Jリーグは2月下旬から公式戦の長期中断を強いられている。ゴールデンウィーク中の不要不急の外出を控えるキャンペーンを各クラブが実施しているなかで、FC東京も2日から6日まで『青赤STAY HOME週間』を実施している。 ファンやサポーターが自宅で楽しめる、さまざまなコンテンツ企画がクラブの公式SNSで配信されるなかで、3日夜に開催された『SPECIAL TALK ROOM』に長友が登場。FC東京在籍時にともにプレーした、クラブナビゲーターの羽生直剛さん(40)と約30分間にわたって対談した。