4シーズン連続出場した国際大会に現れてきた川野の成長 東京五輪レース中に倒れ込んだ本当の理由とは?【35km競歩世界新・川野将虎インタビュー後編】
酒井瑞穂コーチ:私だけでなく周りのサポートも大きかったと思います。練習拠点の東洋大が指導者も含めて練習環境を整え、所属チームの旭化成が支援する体制が上手く機能しています。特に国際大会のメダリストを何人も輩出してきた伝統のある旭化成に所属している安心感が、川野の中に確実にあります。 ――早い段階で内定したことはどう捉えていますか。 川野:高畠の時期に決められたことは、本当に良かったと思います。あと1年弱準備期間があることはアドバンテージです。それを世界陸上の舞台で生かせるように準備していきたいと思います。具体的にはこれから決めていきますが、高畠で代表入りを決められなかったら来年3月の全日本競歩能美の35km競歩に出なければいけませんでした。それがなくなるので、もしも狙えるのであれば、状況を見ながら20km競歩にもチャレンジしてスピードに対応できるようにしていきたいです。 ――来年の東京世界陸上は、どんな大会としたいですか。 川野:今回世界記録を出しましたが、それはスタートラインに過ぎないと考えています。世界記録保持者として外国勢にもマークされたり、周囲から世界記録保持者として見られるプレッシャーもかかる立場になったりしますが、世界の強豪と戦っていくんだ、というマインドは変えず、あくまでチャレンジャーとして戦っていきたいと思っています。東京五輪から5シーズン連続の世界大会になりますが、東京世界陸上は特別な思いもあります。トレーニング面でもメンタル面でも、今まで積み上げてきたものをぶつけて、1つの集大成のような感じで迎えられるレースになればいいな、と思います。 (TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)
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