孤独死した91歳母、娘が語る美しい最期 “おひとり様シニア”の日常にSNS反響 「理想の逝き方」を考える #令和の親
「母は10年前からんすすんで終活」娘に話した最期への備え。「理想的な最期だったかは本人しかわからない」娘の思い
その他、「どのような形で最期を迎えるか」について親子で話し合っていたことがあります。 「10年くらい前から『最期はこうして』と話をしてくれていました。母はエンディングノートを書いており、亡くなったときに必要な書類を全部揃えていたり、葬儀社から見積もりをとったりしていました。それらが置いてある場所やスマホのパスワードなどもすべて教えてもらっていました。ずいぶん前に遺影も撮っていましたし、自らすすんで『終活』をしていましたね。」 大崎さんの「終活」はXやXのフォロワーにも目が向けられていました。 「『亡くなったらXで報告してね』と言われていました。」 日本に帰国した日、ゆうこさんは母のXアカウントからツイート。「博子の娘です。23日の夜に母が永眠いたしました。」と投稿しました。9月2日時点、そのツイートには約16万の「いいね」が送られています。 大崎さんの最期について、ゆうこさんの思いをお伺いしました。 「まさに『ピンピンコロリ』という感じだったので、母らしい最期だったなと思います。でも遺された私としては、突然すぎて…『もっと感謝の気持ちを伝えたかった』『最後にきちんとお別れしたかった』という寂しい気持ちでいっぱいです。 それに本当に理想的だったのかは、本人にしか分からないですよね。部屋のカレンダーに予定が書き込まれているのを見て、寂しい気持ちになりました。」
「理想の最期」へ向けて周囲の人ができること
大崎博子さんのように、周囲から見て元気な状態で最期を迎えられる人はそう多くはありません。そんななか「納得した最期」を迎えるために、私たちは何ができるでしょうか。また、家族や友人、福祉はどのようなサポートができるのでしょうか。 終末期の在宅診療に取り組む医療法人あい友会理事長、野末睦 医師(あい熊谷クリニック院長 兼任)は大崎さんの最期について、「すぐに発見されるように事前にいろいろ手配されており、とても素晴らしいことだ」と話します。 野末医師によると、大崎さんのように健康なまま最期を迎えられることは稀で、ほとんどの人がなんらかの心身疾患を患って亡くなっていくと言います。 近年は以前に比べて、本人が「納得した死」に向かって準備するということが社会的に尊重されるようになりました。 「大崎さんのように、エンディングノートを残すのは良い。どのように最期を迎えたいのか、周囲にも伝えておくといいでしょう」 家族や友人ができることとして、「もし『もうだめだ』『もう終わりだ』と言われたら、『そんなこと言わないで』などとは決して言わず、『私はあなたと1秒でも長く話せるとうれしい』というように、思いを受けて会話を止めないであげてほしい」と強調します。 『逝く瞬間』は誰にも選べません。だからこそ唯一選べる『生き方』が、納得した最期を迎えるために最も大切なのかもしれません。 ※この記事は、THE GOLD ONLINEとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。
THE GOLD ONLINE編集部
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