広島1位の青学大・佐々木泰、左肩負傷もプレー続行 広島スカウト「無理してほしくないが…ああいうキャプテンシーも評価」試合後、病院へ
◇22日 明治神宮野球大会大学の部準々決勝 青学大2―1福岡大(神宮) 高校の部と大学の部でそれぞれ準々決勝2試合ずつが行われた。大学の部では今春の全日本大学選手権を制した青学大(東都)が初戦に臨み、福岡大(九州)に2―1で勝利。今秋のドラフト会議で広島から1位指名された青学大の主将・佐々木泰内野手(4年・県岐阜商)は、守備中に左肩負傷のアクシデントに見舞われながらもプレーを続行する気概を見せた。高校の部では東洋大姫路(近畿)と広島商(中国)が準決勝進出を決めた。 期待のスラッガーのアクシデントに、球場が一時凍りついた。8回。三塁守備に就く青学大の佐々木が左肩を痛めた。三塁線の打球に飛び付いて捕球した直後、顔をゆがめて倒れこんだ。ベンチに下がって約5分の治療を受け、プレーを続行。試合後はトレーナーと病院へ向かった。 安藤寧則監督は「本人が『出る』ということだったので。アドレナリンが出ていたのもあると思う。(次戦は)やれるならやるし、100%でないなら外す」と説明した。 ドラフト指名後初の公式戦だったこの日は「4番・三塁」でフル出場。4打席に立ち、第2打席に内野安打。5回と7回の打席ははいずれも好機で申告敬遠され、相手の警戒ぶりがうかがえた。 岐阜県大垣市出身で、県岐阜商時代は通算41本塁打の強打者。全国屈指のレベルを誇る東都リーグに所属する青学大に進み、1年春からレギュラーを張る。昨年は春秋リーグと全日本大学選手権を制したものの、明治神宮大会で準優勝。4冠達成の雪辱に燃えるチームを主将として率いて、今年も王手をかけた。 痛みを押してプレーを続け、まずは1勝。神宮大会初勝利を挙げた先発の中西は「頼もしいキャプテン。戻ってきたのを見てかっこいいと思った」とその背中は仲間の心にも響いた。心配顔の広島・高山スカウトも「無理はしてほしくないが、ああいうキャプテンシーも評価している」と語った。 準決勝以降の出場は未定だが、安藤監督は「いなくても他の選手がやってくれる」と層の厚さを誇る。グラウンドに立てないとしても、主将・佐々木の存在は青学ナインに欠かせない。
中日スポーツ