「うちのババアに告げ口されたの?」強烈モンペと生徒の狭間で、24歳女教師が絶句「保護者の劣化も止まらない」
「簡単に言えば、その保護者の方は、娘さんに嫌われるのが怖くて、娘さんに注意ができないという状態です。自分の言葉を無視したり、門限を破ったりする娘に、自分では何も言えないので、代わりに先生が注意をしてくれって言うことだと思うんですけど、そんなねえ……」 それはおかしいと感じた渚さんは、保護者の方に、「それはご家庭の問題になるので、ご家庭で解決なさってください」と伝えたそうだ。 「私は何もおかしなことではないと思ったんですけど、Aさんという保護者の方に、教育委員会へ『生徒に興味がなくて、対応が冷淡すぎる』と連絡されてしまいました。教育委員会の方から、どのような状況なのかを問い合わせる連絡が来て、教頭や校長には、『とにかく穏便に対応しなさい』と言う風なことを言われたのを覚えています。『穏便にって、どうすればよいのですか?』そう聞いたら、『向こうの言うことを全部肯定して、話を聞きなさい』と言われました」 渚さんは、真面目だったので、上司たちの言うとおりにした。でもその行動が、さらなる悲劇を招くのだ。 「私は、校長や教頭の言葉通り、『はい、はい』とすべての保護者の話を聞きました。そしたら、はじめは丁寧だった彼らの態度が横柄なものに変わって行きました。特にAさんの態度の変化は顕著で、『先生はまだお若いし、子育てを経験していないから、わからないかもしれないけど』などの言葉を繰り返すようになって、しかも少し横柄な態度で私に接することが嬉しいのか、電話していてから電話を切るまでの時間がとても長くなりました」 それでも、渚さんは、耐え続けた。そして、Aさんが娘に注意してほしいと言っている内容を、そのままAさんの娘に伝えた。 「Aさんの娘は、結構さっぱりした感じの子で、物言いもはっきりしています。『それってうちのババアに言えって言われたの?』って、私を大きな瞳でまっすぐに見て聞くので、『お母さんのことをババアなんて言ってはいけません。お母さんは、あなたのことを心配しているから。』って答えました。そしたら彼女はふんと鼻で笑って、『自分では何も言わずに、ずっと私の顔色を窺っているだけで情けねーよな。ダメならダメって自分の口で言えばいいのに、先生に頼むなんてサイテー。』そう言い捨てて、帰っていきました。まあ、彼女の言うことは間違っていないよな…そんな風に思っていたら、その日の夜に、退勤間際の私のもとに、Aさんから電話がかかってきて……」 渚さんのもとにかかってきたその電話で、Aさんは泣き叫んでいた。 さらなる悲劇については【後編】にて詳報する。 取材・文/石垣美穂 写真/getty images