佑ちゃん”涙の7球”がSNSでの公式戦の引退試合賛否を封印!
日ハムの斎藤佑樹(33)が17日、札幌ドームでのオリックス戦で“引退試合”を行った。栗山英樹監督(60)が斎藤を起用したのは4-3でリードした7回。先頭打者の福田周平(29)一人だけの登板だったが、四球で歩かせ、無死一塁のピンチとなった。オリックスとロッテが熾烈な優勝争いをしている最中の真剣勝負にネットやSNSが賛否で炎上してもおかしくなかったが”魂の7球”が涙と感動を呼び批判の声を封印。後を受けた堀瑞輝(23)が無失点で切り抜け、佑ちゃんの花道に華を添えた。
ストレートは129キロ…それでも懸命に
これが”ありのまま”の11年目の斎藤佑樹の姿だった。魂の7球――。7回、オリックスの先頭打者、福田に対して初球はストレート。思い切り腕を振ってストライクを取ったがスピードガン表示は129キロだった。斎藤が1軍のマウンドに立つのは2019年9月27日のオリックス戦以来。昨年のオフにヒジを手術、肩も含めて満身創痍の状態でキャッチボールさえままならない状況だったというから、それも無理はないだろう。今の精一杯である。 優勝争いをしているオリックスのトップバッターを相手に真剣勝負のできるレベルにはない。だが、ファンは、栄光と苦悩の狭間…いや11年の現役生活の大半が苦闘だったにもかかわらず、あきらめずに前を向き続けた、その懸命な姿に心を打たれた。 2球目のストレートも129キロ。ボールとなり3球目はツーシーム。泳いだ福田の打球は三塁側のスタンドに入るファウルとなった。4球目のチェンジアップはワンバウンド。勝負球だったが手を出してはくれない。続く5球目のツーシームは、高く浮き、今度は引っ張られて一塁側へのファウル。あまりにボールが遅すぎて福田も対応ができない。 6球目のツーシームはボールとなってフルカウント。そして斎藤は勝負の7球目のツーシームを外角低めに沈める。キャッチャーの清水はフレーミングでキャッチしてミットをしばらく動かさなかったが、判定はボール。現役最後の登板は四球となった。斎藤は苦笑いを浮かべ栗山監督が交代を告げた。