『風来のシレン』シリーズに見る日本におけるローグライクの進化の過程【げむすぱローグライク/ローグライト部】
自動生成やパーマデス(一度死ぬとすべてを失う)など、さまざまな要素が絡み合い、何度遊んでも楽しむことのできるゲームジャンル「ローグライク/ローグライト」。今週の「げむすぱローグライク/ローグライト部」第5回では、国産ローグライクの雄『不思議のダンジョン 風来のシレン』シリーズを通し、国産ローグライクの進化の過程を辿ります。 【画像全10枚】
『不思議のダンジョン 風来のシレン』とは
このシリーズは「ローグライク」として鉄板のシリーズなのでご存じの方も多いと思いますが、改めて概要を説明しますと、日本に「ローグライク」というジャンルを根付かせたチュンソフトから発売された『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』(1993年)の続編として1995年にSFCで発売された『不思議のダンジョン2 風来のシレン』がシリーズ第1作です。
ゲーム内容としては純粋な『Rogue』のクローン作としての色が強かった『トルネコの大冒険』から『ドラゴンクエスト』関係の要素を排除して、主人公やアイテムは和風、世界観は南米色が強いという独自の多国籍感を設定し、「泥棒が可能なダンジョン内の店」「アイテム欄を拡張できる壷」「食べると特殊効果が身に付くモンスターの肉」など、『NetHack』系ローグライクゲームの要素を上手くアレンジして導入しつつ、そこに「武具の合成」といったオリジナル要素を継ぎ足して、まったく新しいローグライクゲームとして生み出されたのが『風来のシレン』第1作になります。
それから『風来のシレン』は『トルネコの大冒険』とは別路線のローグライクゲームとしてシリーズ化され、そのシリーズの中で「アイテムの呪い・祝福」「ランダムに性能が付与された神器」など、『NetHack』『Angband』系統の伝統的ローグライクから輸入したと思われる要素や、「モンスターテーブルや戦闘システムが一変する昼と夜」「行く手を阻む強大なデッ怪モンスター」など、シリーズ独自の要素を盛り込みながら、2024年発売の『風来のシレン6 とぐろ島探検録』までシリーズが続いています。
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