『風来のシレン』シリーズに見る日本におけるローグライクの進化の過程【げむすぱローグライク/ローグライト部】
なお、本記事ではシリーズ第1作(スマホ版)(以下『初代』)、およびSteam版『風来のシレン5Plus フォーチュンタワーと運命のダイス(以下、『シレン5Plus』および『5Plus』)』、スイッチ版『風来のシレン6 とぐろ島探検録(以下、『シレン6』および『6』)』を主に取り扱います。だって筆者がスクリーンショットを用意できる環境がこれくらいしかないですもん。
『初代』シレンの産み出したもの
先述したように『初代』シレンはまったく新しい日本製ローグライクゲームであるのですが、その前身となった『トルネコの大冒険』で産み出された大きな要素が2つあります。それが「コントローラーに最適化された操作」です。
本連載の第1回で紹介した『Rogue』は移動が8つのキーに割り振られ、薬を飲むにはqキー、巻物を読むにはrキー、杖を振るにはzキー……と、複雑なキー操作を覚える必要がありました。しかしながら、『トルネコの大冒険』はそこに『ドラゴンクエスト』と同様のウインドウシステムを導入し、すべてのアイテムにアクセスしやすく、かつアイテムの使用方法もすべて共通と、非常にわかりやすいユーザーインターフェースを導入しました。
キャラクターの移動に関してもRボタンを押しながらでキャラクターの斜め移動を実現できる、(『Rogue』では武器の持ち替えが必要だった)弓矢をLボタン一発で飛ばせる、キャラクターの向きはYボタンを押しながらで変えられる……と、SFCのボタン体系で完全にローグライクゲームを実現できる環境を整えたのです。この『トルネコの大冒険』の操作体系は、後の国産ローグライクゲームのデファクトスタンダードとなりました。
さて、『初代』シレンの話に戻りましょう。先述した通り、『初代』シレンは多くの要素を『NetHack』などの伝統的ローグライクから引き継ぎ、盛り込んでいます。それでは、『初代』シレンは『NetHack』クローンなのでしょうか?答えは「No」です。
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