『風来のシレン』シリーズに見る日本におけるローグライクの進化の過程【げむすぱローグライク/ローグライト部】
この沈黙が破られたのは2020年。『シレン5』がとてつもなく多くの新規要素を追加して、PC(Steam)とニンテンドースイッチに移植されたことでシリーズが再び動き出します。
1ターンでの一喜一憂が起きやすい『シレン』シリーズはゲーム実況に適したゲームであることを制作側も把握しているのか、1画面にゲーム画面でなく所持品や様々な情報を同時表示できる機能を『5Plus』で実装しました。もちろんこれは通常のプレイでも有効な所持アイテムが把握しやすく、有効な機能です。
また、『シレン5』では同じ武具を使い続けると武具が進化し、攻撃力や防御力、特殊能力が強化されるという仕様が登場しています。この機能によって上手く合成や武具強化の巻物を引くことができずとも、武器が自動的に強化されてある程度の敵の強化についていくことができるというメリットが生まれました。
また、『シレン5』の特徴的な要素のひとつが「昼と夜」です。一部のダンジョンには日時経過が実装されており、夜になるとモンスターのラインナップが変わり、普通の攻撃ではほぼダメージが与えられなくなります。モンスターを倒すためにはシレンの「技」を使う必要があるのですが……これを習得するにはランダム出現の技仙人から技を教えてもらうしかありません。そのため、「技」が揃わない&モンスターの使用を把握しにくい序盤では「夜」の難易度がかなり高いのが現実です。「おいでよ混乱波+感電波」といった有用なコンボを習得したり、上級技仙人から階段の位置がわかる「ドコ?カイ弾」を習得すると夜の難易度は一気に下がるのですが……夜は昼とまったく違うゲームになると言ってもいいので、このあたりは好き嫌い分かれるところかもしれません(筆者も久しぶりに夜に挑んだら旅仲間が全滅しました)。
また、『シレン5』には「合成の壷」「強化の壷」「復活の草」ならぬ「合城の壷」「強イヒの壷」「腹活の草」といったジョーク交じりの「まがい物道具」が主にクリア後のダンジョンで大量に出現します。ローグライクゲームには洋の東西を問わず大量のジョークが盛り込まれる傾向があるのですが(『Angband』とか『不思議の幻想郷』とかね)、本作のジョークアイテムの量は常軌を逸しています。
【関連記事】
- 『風来のシレン6』で「アスカ」を操作できる!追加ダンジョンを含むDLC「plusパック後編」配信開始―機能追加アプデ第4弾も
- コッパ&アスカがプレイアブルキャラに!『風来のシレン6』有料追加コンテンツ「plusパック」が前後編で登場―新ダンジョンも10個追加
- 海外レビューハイスコア『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』―習得は簡単、マスターは難しく、そして中毒性が高い、『シレン』があるべき姿
- 【吉田輝和の絵日記】アイテムは大盤振る舞いで生き延びろ!どうせ死んだら全ロストしちゃうんだし…『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』
- ポケットペア、任天堂とポケモンの『パルワールド』訴訟内容について公表―本作の差止め請求も含まれることが明らかに