タモンズ、忘れたい時代が映画化「人生捨てるとこない」和田正人×駒木根隆介×タモンズ対談
演じたのが決勝に行く前のタモンズだからよかった
──映画の撮影は昨年だそうですが、ということはタモンズさんが『THE SECOND』決勝に行く前ですよね。 和田 そうなんです。だから『THE SECOND』決勝進出は「まさかそんなことある!?」と驚きました。公開に合わせてちょっと売れようとしてるじゃん、と(笑)。 安部 少しは売れさせてくださいよ(笑)。 和田 安部さんって、昔と今では動き方とか全部違って、『THE SECOND』を観た駒ちゃんが「ああいうのやりたかったな」「安部さんめちゃくちゃおもしろいじゃないですか!」って。 駒木根 めっちゃうれしかったけど、同時に悔しくて。もし撮影前にこれが観られていたら、もっと違うタモンズが演じられたかもしれないって。でも和田さんは「その前のタモンズだから映画ではよかったんだよ」と言ってくれたんですけど。 大波 だってこれ、我々からしたら一番思い出したくない時期、忘れたい時代が描かれてますからね。 安部 ネタも、「こんなもんウケるか」というやつをやっているときですから。 大波 でもそんな時期が映画になるって、人生捨てるとこないんやなと。ホルモンみたいですよね。 安部 それは思いますね。ほんまにお笑いがあんまり楽しくなかった時期が映画になるなんて、わからんもんですよ。 和田 あれだけくすぶっていた人が『THE SECOND』でこんなに活躍したというのは、若手芸人さんの背中をめちゃくちゃ押すんじゃないかな。 安部 まだそこまでドーンと売れたわけじゃないですし、まだまだこれからですけど、今年『THE SECOND』でベスト4になってほんまによかったなと思いますね。和田さんと駒木根さんにわけわからん芸人の役を演じさせたままじゃなくなって。 大波 そう、そこめっちゃ罪悪感あったんですよ。だって「あなた毎日毎日撮影に行ってるの、今何役なの?」って聞かれて、奥様に説明できないじゃないですか。 安部 「誰演じてんねん!」と言われるじゃないですか。 和田 いやいや(笑)。妻もタモンズさんの活躍をめっちゃ喜んでましたよ。 駒木根 こんなにもほぼ同世代でリアルにいらっしゃる方を演じて、しかも撮影から公開までの1年で状況が変わっていくって本当に珍しいことだったので、本当に楽しかったですね。 大波 実は今年、トットさんという大宮セブンではないけど、ほぼ大宮セブンにいるようなコンビが、『M-1グランプリ』ラストイヤーで準々決勝敗退しまして。だから次は、トットさんで映画撮ってもらっていいですか?
文=釣木文恵 撮影=菅原麻里 編集=梅山織愛