タモンズ、忘れたい時代が映画化「人生捨てるとこない」和田正人×駒木根隆介×タモンズ対談
自宅のスタンドマイクで「ネタ合わせ」
──タモンズのおふたりは、映画の中のタモンズをご覧になってどう思われましたか? 安部 最初におふたりの漫才を観たときはびっくりしましたよ。 大波 いや本当に。 駒木根 ……実際のとこ、どうでしたか? 僕らの漫才。 安部 和田さんが先導して、駒木根さんが間にスポンスポンと入る。その“間”の取り方が、完全再現されてました。 和田 よかった。 ──タモンズさんが直接指導されたわけではないんですか? 駒木根 撮影前に大宮セブンライブをキャストみんなで観に行って、ごあいさつはさせてもらったんですよ。それだけで。 ──では、あの漫才はどうやって? 和田 ネタの脚本を文字起こししたものが4本分くらいあって、あとは映像を参考に。我が家にカラオケ用のスタンドマイクがあるんです。だからふたりでうちに集まって、それをサンパチマイク代わりに練習しました。 大波・安部 すご! 駒木根 僕らとしてはあまり完全再現は目指してなくて。 和田 練習するときも、自分たちでかけ合いをしてみて「今の間はもうちょっと詰めたほうがいいな」「ここもうちょっと駒ちゃん大きく動いてみようか、マイクからも少し外れて」と、自分たちで作っていきました。
楽屋で誰と誰がしゃべっているか
──実際に撮影していて、印象に残っているシーンはどこですか? 和田 ふたりで道路を挟んで走りながらネタを言い合うシーンがあるんですよ。40代でああいうシーンをやるのは本当にはずかしいんですよ(笑)。こういうのは20代から、いいとこ30代前半までなんです。 大波 いやいや、タモンズを演じるならあれやらないと。普段からああいうネタ合わせしてますから(笑)。 駒木根 いや、でも和田さんは陸上されてたから、長く走っても全然体幹もブレないし。俺なんてもう……(笑)。 ──駒木根さんが印象に残ったのは? 駒木根 オープニングで、ライブが終わってみんなが楽屋に帰ってくるシーンがあるんです。ああいうところって地味ですけど、実はすごく大事で。誰と誰がしゃべっていて、どういうふうに座って、という部分でウソがないようにしたい。でも、僕らは大宮セブンさんの楽屋の様子は知らないから、みんなで想像して、「じゃあここで福井(俊太郎、GAG)さんと南條(庄助、すゑひろがりず)さんがしゃべって」とか作っていったんです。 和田 あの人数を監督が全部演出していったら時間がかかるじゃないですか。でも大宮セブンを演じたキャストのみなさんが「こことここが仲いいらしい」とかを自分で調べて来られて。 大波 うわ、そんなことしてくれてたんですか。 駒木根 調べた情報プラス、現場で動いてみて決めていって。和田さんと「モノマネにはしたくないから、映画の中でのみ存在する、オリジナルの大宮セブンとしていられればいいよね」とよく話してました。今回、大宮セブンを演じたキャストのみんなは、すごく積極的にそういうコミュニケーションを取って、高いモチベーションでそれぞれの役に取り組んでいた。おかげでいい関係性を作れたなと思います。