求めた結果ではなかったけれど… 西郷真央の交錯する感情
◇女子メジャー最終戦◇AIG女子オープン(全英女子) 最終日(25日)◇セントアンドリュース オールドコース (スコットランド)◇6784yd(パー72) 【画像】五輪金メダリストが今度はメジャー制覇 早々にゲームが“終わって”しまってもおかしくない状況から、西郷真央は強烈な追い込みをかけた。5打差10位から出たメジャーの最終日。2番のティショットは雨で滑ったように右へ出て、強風にも押されてブッシュに飛び込んだ。痛恨のダブルボギー先行。「あれ(ボール)が見つからなかったのも、自分があそこに打ったのが悪い。『このショットをもう一回しないように』とだけ心掛けながら、気持ちを切り替えました」と振り返る。
口にするほど簡単ではない立て直しを5番(パー5)からの2連続バーディで体現。「いいパッティングを決められた」という8番でも伸ばすと、10番も2mのチャンスを生かしてカップにねじ込んだ。右から縁をクルッと回って沈み、力強くガッツポーズ。安定感抜群のショットに課題のパッティングがかみ合い、一度は遠のいた首位に3打差まで迫った。
悔やんでも悔やみ切れないのは11番(パー3)の3パットボギー。短い距離のパーパットは「芝目と風のタイミングで、逆に切れてしまった」。再びそがれた勢いを、最後まで取り戻すことができなかった。
通算2アンダー7位。順位は6月「全米女子プロ」と同じでも、最終日31位スタートからまくった2カ月前とは違って優勝争いに身を置いた結果だ。今季5大メジャーの戦いを振り返っても、最初の2試合は予選落ちだった。パッティングが決まらない苦しさが武器であるショットに波及し、いずれもカットラインに1打届かず。初日4位の好発進が効いて予選を通った全米女子プロも、2日目に同じ流れで後退していた。 「去年までの自分だったら、これだけ(パットが)入らなかったら、どんどん崩れて、ショットまで調子が悪くなっていたと思うし、2番のダボで立て直せなかったかもしれない。気持ち的な部分では負けずにプレーできた。(今回も)結果は自分が求めたものではなかったけど、頑張ることはできたと思う」。今季から飛び込んだ米ツアーでの経験、メジャーで味わった1打の重みが血肉となっている。