通行無料でもトイレは有料!? 事故の迂回方法にも驚いたドイツ・オーストリアの高速道路
ヨーロッパでは、国境を越えると新たに入る国の制限速度が、大きく表示される。高速道路の制限速度は、ドイツ、オーストリア、チェコの3カ国とも「時速130km」だった。 ドイツのアウトバーンは、速度無制限の区間もあるが、近年は州、あるいは走行環境によって速度制限が設けられることが増えており、時速130kmとなっている区間が多い。速度制限のないところも、時速130kmが「推奨速度」とされている。 あまりに速度が高いと、事故が起きたときの人体や道路への影響が大きいことに加え、燃費が著しく悪化してCO2排出量が増えるためである。
ドイツとオーストリアの道路標識で、共通していることがひとつある。それは、次のインターチェンジ(IC)で降りるとどんな観光施設や遺跡があるかを示す、イラスト入りの大きめの標識だ。しかも、色は白と薄茶色の2色のみで、施設・遺跡名だけがシンプルに書かれている。 とても地味で宣伝文句はいっさいないが、逆にそれが「どんな施設だろう?」と興味を掻き立ててくれる。ドイツもオーストリアも同じドイツ語文化圏ではあるが、標識の体裁までが統一されているのは意外な気がした。
普通の標識、例えばIC出口の行き先表示などは、両国で標記方法が多少違うだけに、観光情報の標識が統一されていることが、なおさら不思議であった。さらに、都市の中心部全体が世界遺産になっているような場合は、都市名と世界遺産であることだけが表示されているのも興味深い。 ■世界遺産「ハルシュタット」への道でトラブル 今回は、夏の観光シーズンにもかかわらず、ウィーン市内の高速道路を除けば渋滞にはほとんど遭遇しなかったが、一度だけまったくクルマが動かなくなる、ひどい渋滞に巻き込まれた。
そこで驚いたのは、地元のドライバーたちの行動である。交通情報などで情報を得て動く見込みがないことを知っているのか、クルマを降りてサンドウィッチを頬張るなど、思い思いに過ごし始めたのだ。そんな様子を見たら、こちらは逆に焦ってしまう。 「いつまで足止めされるのか……」と思って、スマホのグーグルマップを見ると、少し先のトンネル内で事故が起きたことを示している。「これはしばらく通行できないだろうな」と、半ばこの日の予定遂行を諦めかけたころ、クルマは動き出した。