“ジャニーズだけじゃない”当事者が伝えたい性被害 ~後編~
■性被害をなくすために
トークイベントを主催した安西さんの言葉通り、今年はジャニーズ性加害問題が大きく報じられ、多くの人にも“男性の性被害”が認知されるようになったのは事実だ。女性の性被害者が「#MeToo運動」などをきっかけに声を上げ始め、今年は男性の性被害もようやく語られるようになった。 しかし、男性、女性、子どもが被害者となる性犯罪は起き続けている。塾講師や教員が教え子の性的な姿を盗撮したり、写真などを保有したり、体を触るなどして逮捕されるなど、立場を悪用した性被害も防ぐことができていない。 政府は、子どもと接する一部の職業に就く際、性犯罪歴がないことを確認する新たな仕組み、日本版DBSの導入に向けて議論してきたが、今年、国会に法案が提出されなかった。 性犯罪を防ぐ取り組みはもちろんのこと、性被害者支援の充実、相談しやすい環境や被害者への偏見をなくすことなども求められている。 また、性犯罪の加害者は、心理的な問題を抱えていることもしばしばあり、再犯を防ぐためには、罰するだけでなく、治療などを担う医療機関や施設を増やすことも必要だ。