お支払いはお金じゃなくてモノで! 物々交換ショップに人が集まる訳。赤字でも営業を続ける店長に聞いた 「サルベージSHOPレトロカルチャー」愛知県岡崎市
環境問題に対する身近なアクションを起こすきっかけに
持ち込まれるモノの中で一番多いのは古着や雑貨。人気商品は食品だという。 「お歳暮やお中元の余りの缶詰や食用油を寄付してくれる人や、自宅の家の庭でできた果物を大量に分けてくれる人、近隣の農家の人が規格外の野菜を持ち込んでくれるというケースもあります。朝、持ち込まれて店頭に並べると、すぐになくなります」
活動に賛同した企業が化粧品の在庫などを提供してくれることもあり、店内には新品の商品も見られる。「新品の商品は募金につながるのでありがたいですね」と古田さん。他に家電やウエディングドレスなども並び、まさに「なんでもある」という印象だが、珍しいモノでは、バイク販売会社が中古の原付バイクを提供してくれたケースもあったという。「原付バイクは欲しい人が多かったので、SNS経由で入札を実施し、購入権を得た方には入札価格を募金していただきました」
肌のハリをアップする美容液は大人気。期限が過ぎると廃棄物になってしまうところ、2200本が必要な人の元へ届いた。
レトロな原付バイクは、入札して購入権を得た必要としている人の元へ。
土曜日は小学生が多く訪れるという。 「小さい頃に遊んでいたおもちゃやぬいぐるみ、本を持ち込んでくれて、これから遊びたいおもちゃや文具などを持って帰ります。小学3、4年生の女の子は、アクセサリーやバッグを楽しそうに選んでいきますね」とゆうこさん。
古田さんは話す。「親御さんから聞いた話ですが、『おもちゃを捨てるよ』というと『絶対イヤ!』という子どもも、『おもちゃを物々交換に持っていって、誰かに使ってもらおうか』というと、自ら持っていくようになるのだと。このお店が、モノを大切に使って、まだ使えるモノを次の人に使ってもらうという循環を、自然と身に付けてくれるきっかけになったらうれしいです。現代の環境問題に対して、身近で楽しく行動を起こせることの一つとして、気軽に物々交換に参加してもらえたらと思っています」
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