【世界の生理事情】インドでは“生理はタブー”に変化の兆し。タンザニアで使用されている生理用ナプキンとは?
【世界の生理・タンザニア編】生理用品の製造・販売を行う菊池モアナさんに聞いた現地の生理事情
タンザニアで生理用品の製造・販売を行う「LUNA sanitary products」を経営する、菊池モアナさん。 菊池さん:タンザニアは人口の約45%の人が貧困ラインと呼ばれる1日280円以下で生活しており、約200円する生理用ナプキン(1個8枚入り)を毎月購入できない女性たちが多く存在しています。こうした女性たちは、端切れをナプキンとして使用しているのですが、カビや雑菌が繁殖し、感染症の原因になっています。 宗教的(キリスト教徒とイスラム教徒がそれぞれ国民の約40%ずつを占め、残りの約20%は地域の土着信仰)な理由などから、生理がタブー視されている地域もあります。ある貧困層の村では、布ナプキンが男性の目に触れてはいけないため、洗濯後に外に干すことができず、マットレスの下に隠すように干している子もいます。 【写真】衣類の切れ端やアフリカの伝統的なカンガ布などで作られた布ナプキンを見せてくれた、公立学校に通う女子学生。
菊池さん:貧困層は布ナプキンですが、中所得者層以上は紙ナプキンを使用していて、日用品などを売る「キオスク」と呼ばれる商店で購入することができます。 月経カップや吸水ショーツは、支援で配られたことがありますが、貧困層には使い勝手が悪い。というのも月経カップは使用後に煮沸消毒が必要。貧困家庭では、消毒に必要な鍋や薪、さらには清潔な水の準備が難しいためです。
菊池さん:日本で暮らしてたときは、月経カップ、吸水ショーツなど、生理用品はひと通り持っており使用していたのですが、タンザニアは断水することも多いため、衛生面の観点から紙ナプキンを使っています。生理痛がひどいタイプではないので、鎮痛剤は飲みませんが、そのときの気分に合わせて、日本から持参したアメリカの「ヨギティー」のハーブティーを飲んでいます。 タンザニアでは、1錠25円程度で生理痛を和らげる鎮痛剤を購入することができますが、貧困地域に暮らす女性は買うことができず、ただひたすら我慢して痛みが引くのを待つ人も多いです。 【写真】タンザニアの街中にある自然薬のお店。 Borderless Tanzania Limited CEO 菊池モアナ 1995年生まれ、神奈川県出身。2021年に「Borderless Tanzania Limited」を設立。若年妊娠で退学したタンザニアのシングルマザーが働ける生理用品の製造・販売を行う事業「LUNA sanitary products」を立ち上げる。タンザニアMIXの男の子を育てる一児の母でもある。 ※上記の内容は菊池さんへの取材をまとめたもので、タンザニアのすべての生理事情を代表するものではありません。