“ステージ3相当地域”で想定する「3つのシナリオ」 「減少」「高止まり」「拡大継続」―政府コロナ分科会
【シナリオ3】感染拡大継続地域
3週間対策したにも関わらず感染拡大が続いている地域が「シナリオ3」であり、尾身会長はこのシナリオが「ワーストケース」だと語った。 尾身氏は「客観的に見れば3週間これだけやっていても感染拡大するというのは『高止まり』よりさらにしっかりやらないといけない」と指摘。「ここまでくると、人の動きや接触機会のさらなる低減策が必要になってくる」と語り、時短営業要請の強化、テレワークの拡大、イベントの厳格化、県境を越えた移動の自粛要請、「Go Toトラベル」事業の一時停止、不要不急の外出自粛要請、医療提供体制・保健所機能の強化、などの対策が必要になる、と語った。
「3つのシナリオ」は誰が判断する?
現状、どの地域がステージ3に相当するかと問われた尾身氏は、分科会としては「北海道の札幌市」「東京都の23区と多摩地域」「大阪市を中心とした大阪府」が該当するとの認識を示した。 さらにステージ3の中で、どのシナリオにどの自治体が当てはまるかをどう判断するのかについては、「現状の認識を知事と国が早く判断していただきたいというメッセージ。どこが判断するか、自治体と国が連携してやる。ステージの考え方と一緒だ」と述べた。
4段階の「ステージ」とは?
ステージは、分科会が提唱した地域ごとの感染状況と医療提供体制の深刻度を表す概念で、最も低いステージ1から最も高いステージ4まで4段階に分けられている。 ステージ4は「緊急事態宣言を出す時期と理論的に言える」(尾身茂・分科会会長)とされている。「3」は、4にならないための策を講じる時期との位置付けで、数値の目安として以下の6項目が示されている。ただ、特定の都道府県がどのステージであるか判断するのは知事であり、数値だけではない「総合的判断」がなされることになっている。 (1)「病床全体」「重症者用病床」ともに、最大確保病床に対する占有率が20%以上、または現時点の確保病床数の占有率が25%以上 (2)人口10万人当たりの全療養者数(入院、自宅・宿泊療養者を合わせた数)が15人以上 (3)PCR陽性率10% (4)1週間で人口10万人当たり15人以上 (5)直近1週間の感染者が先週を上回る (6)感染経路不明割合・50%