“ステージ3相当地域”で想定する「3つのシナリオ」 「減少」「高止まり」「拡大継続」―政府コロナ分科会
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は11日、分科会が開かれた後に記者会見し、分科会が提唱してきた「ステージ」の考え方に則ると「ステージ3相当」に属する都道府県における今後の対策を考えるうえで、シナリオ(見通し)を3通りに分けた、と発表した。 【会見動画】分科会が“ステージ3相当地域”で想定する「3つのシナリオ」提言 尾身会長が会見
「ステージ3相当」の地域では、11月下旬から酒類を提供する飲食店に対する営業時間短縮要請などの感染拡大防止措置を講じており、その期間は対策の効果が見極められるとされる3週間だ。開始時期は地域によって異なるものの、12月16日前後に期間を終える。分科会は3週間の結果、感染が減少に転じた地域を「シナリオ1」、感染が高止まりしている地域を「シナリオ2」、感染拡大が継続している地域を「シナリオ3」と分類。それぞれのシナリオに合わせた対策を政府への提言に盛り込んだ。
【シナリオ1】感染減少地域
「3週間」を終えた時点で感染が減少している地域が「シナリオ1」だ。 尾身会長は会見で、「シナリオ1」の地域を「ベストシナリオ」と言い表したが、一方で「まだステージ3(相当)。下がってきたから対策を止めるのではなくてステージ2以下の水準まで引き下げていただきたい」と語った。 時短営業要請などの対策の継続は必須ではなく、国と自治体が連携しながら判断すれば良い、と幅を持たせた。
【シナリオ2】感染高止まり地域
「シナリオ2」は3週間の対策を行った後に感染報告数が高止まりしている地域だ。 尾身会長は会見で「一進一退で悪くなっていないから良いと思われるかも知れないが、かなり強い対策を3週間しているにも関わらず高止まり状態になっている。しっかりした対策ができれば3週間くらいすると普通は下火になる。それでも高止まりということは何か足りない、ということを意味する。高止まりというのは安心材料ではなくて心配材料で、さらなる強化が必要だということだ」と警鐘を鳴らした。 その場合の対策としては「3週間やってきたことにさらに加えないといけない。営業時間短縮というのは引き続きやる。3週間の効果が不十分だということなので、(営業終了時間を夜の)10時といっているところなら9時とか8時とか考えていただいたらどうか」などと提案した。 イベント開催要件の厳格化や、感染予防を徹底できない場合における感染が拡大している地域とそれ以外の地域との社会経済圏域を超えた往来の自粛要請、「Go To トラベル」事業の一時停止にも言及した。