三菱重工、JFEから配管板厚の遠隔監視システム大量受注。福山地区向け・製鉄所の点検効率化
三菱重工業は4日、配管類の厚みが減少するのを遠隔監視できる「超音波式板厚モニタリングシステム」をJFEスチールから大量受注したと発表した。約2年前から試運用を進めていた西日本製鉄所福山地区(広島県福山市)に導入する。配管など対象設備にセンサーを設置するだけで遠隔のモニター画面での板厚点検が可能となるため、作業の安全性向上や短期化が可能になる。 システムは、配管類の板厚を計測する帯状の薄膜UT(超音波探傷試験)センサー(最長20メートル)と、センサーが発する超音波を送受信するパルサースコープ(超音波探傷器)で構成。JFEは2022年3月から福山地区で試運用を重ねていた。三菱重工は今後、鉄鋼や電力会社向けに同システムの販売を本格化する。 世界最小・最薄というUTセンサーは、狭所や湾曲部に設置できる。防爆式で、引火性物質を扱う機器・配管類にも取り付け可能だ。接着剤などで固定し、取り付けた部位の板厚を最長約10年にわたり正確に計測できる。 温度変化に伴う超音波の音速変化を想定した補正機能も備えており、200度の環境下でも高精度な測定を実現した。より幅広い温度帯での計測に向けた改良も進める。