「バイクはやっぱり4気筒」というのは過去の話!? 2気筒エンジンのバイクが人気の理由
中型以上のバイクは4気筒エンジンが当たり前と思っているバイクファンも多いかもしれませんが、近年のバイクは大型モデルであっても2気筒エンジンが中心となっています。かつては高性能バイクの代名詞的な存在で、国産メーカーの得意分野として知られていましたが、最近は国産でも4気筒マシンは少なくなっています。 【バイク画像を詳しく見る】 400cc以下の排気量では、4気筒エンジンを積んでいるのはカワサキの「Ninja ZX-4R」と「Ninja ZX-25R」のみ。大排気量車でも選択肢はかなり限られるようになっています。 代わってラインナップの中心になっているのが2気筒エンジン。インラインフォー(並列4気筒)の伸びやかな排気音に憧れたライダーにとっては寂しさもあるかもしれませんが、実際に乗ってみると、中年ライダーにとっては2気筒のほうがむしろ向いているのでは?とも感じます。そんな2気筒エンジンの魅力について分析してみました。
■個性豊かなな形式が選べる
2気筒エンジンの魅力のひとつは、様々な形式のユニットが選べることでしょう。並列式が一般的ですが、V型、それも横置きと縦置きが選べたり、BMW製のような水平対向エンジンなど個性豊かです。それに空冷と水冷という冷却方式の違いも加わり、乗り味が異なるエンジンの選択肢が豊富に揃っています。 V型エンジンに絞っても、“L型”とも呼ばれるドゥカティ製から、クルーザーの代名詞的な存在のハーレーダビッドソン製、独自の縦置き式にこだわるモトグッツィ製などユニークなユニットが揃っています。国産での選択肢は一時期に比べるとかなり減っていますが、スズキの「Vストローム1050」や「Vストローム650」「SV650」がV型エンジンを採用しています。 なかでも個性的なのはモトグッツィ。縦置きのV型2気筒エンジンとシャフトドライブという組み合わせにこだわり続け、ほかにない独自の世界を構築しています。特に空冷ユニットを搭載する「V7」シリーズは、OHVというバルブ駆動方式を採用していることもあって、現行モデルであっても旧車のような乗り味を実現しています。 BMWのバイクに搭載される“ボクサー”と呼ばれる水平対向エンジンも個性が強いパワートレインです。向かい合って動くピストンがお互いに振動を打ち消すため、不快な振動が少なく、低重心というメリットもありますが、左右にシリンダーが張り出した独自のルックスも魅力のひとつでしょう。また、クランクが車体に対して横向きに回転するため、回転慣性の影響を受けにくく、左右にバンクさせる動きが非常に軽快というのもメリットです。