胸を愛し、しっかりケア! 専門家が語る最新バスト事情とは?
減少傾向にある豊胸術
長らく世界で最も多く行われてきた美容整形手術は、豊胸術だったが、脂肪吸引にその座を奪われ、いまや全体的に減少傾向にあるという。2022年と比較してマイナス13%(1)であるが、これは、欠陥のあるPIP社の豊胸用シリコンバッグのようなスキャンダルや、乳房インプラントに起因すると考えられるBII(乳房インプラント病)の症例の報告を受けて、抑止効果があったからだろうか? 形成外科医でフランス美容形成外科学会 (Sofcep)会員のフロレンス・ルジュン博士は、ASIA 症候群(ワクチンの効果を高めるために一緒に投与される物質によって引き起こされる自己免疫および自己炎症症候群を指す英語の頭文字)を取り巻く反応について、乳房インプラントに関連があるかもしれないことを考慮する必要があると述べている。「この病気の症状を、正しいか間違っているかは別として、乳房インプラントと関連付ける人もいます。このため、フランス人よりもアメリカ人の方が、インプラントを除去する傾向にあります。これらの症状は非常に多様で、インプラントの存在と結び付けるのは必ずしも容易ではないため、まだかなり曖昧ではあります」 専門家によると、豊胸術に対する消極的な姿勢は、患者だけでなく、業界全体の進歩にも影響を及ぼしているという。「豊胸手術の技術進歩は大幅に減速しています。特にフランス市場では、解剖学的なプロテーゼ(シリコンでできた医療用の人口軟骨)の参考文献が強制的に放棄されたため、私たちは一から立ち返って、自らに問いかける必要がありました」と、形成外科医でありIMCAS(国際老化科学マスターコース)の科学共同ディレクターであるセバスチャン・ガーソン博士は述べている。多数の豊胸インプラントの参考文献に対して、これほど厳しい禁輸措置を講じているのは世界でもフランスだけと指摘した上で、「目標を最適化し、最大限の安全性を確保することが優先すべき課題です」と強調する。