「(SMAPは)なんちゃってオールマイティーですよ」木村拓哉が語った言葉に表れる、「ジャニーズ事務所」が他の事務所と違うワケ
「なんちゃってオールマイティーですよ。(中略)踊り揃ったことないもん※10」 木村拓哉の中に長らくあったSMAPがダンスにおけるプロフェッショナルではなかったという自覚が、気を許せる相手であり、実力も認めるISSAを前に出た瞬間なのではないだろうか。それはスキルとしては劣る自覚がありながら、結果的にDA PUMPより売れ続けてしまったSMAPとしての贖罪であり、木村の誠意のようにも感じられた。 木村の突然の吐露に対し、少し動揺しながらのISSAの返しもまた素晴らしいものだった。
「不得意な方もいらっしゃったと思うし……でも、ひとりひとりがちゃんと立ってたじゃないですか。個性がちゃんとあって」 セールスを含めたSMAPの芸能界における功績を否定する者は誰もいないだろう。だが、その根底にあったのはそれぞれの“個性”でもある。仮に彼らを日本一売れたグループだとしても、決してダンスが日本一うまいからその地位に立ったわけではないのである。 ※1 『日経MJ』2023年9月13日 ※2 『日刊スポーツ』2023年3月31日配信
※3 『日経エンタテインメント!』2021年4月号 ※4 『日経エンタテインメント!』2017年4月号 ※5 『日経エンタテインメント!』2023年5月号 ※6 『週刊SPA!』1990年7月4日号 ※7 『朝日新聞』2011年10月22日夕刊 ※8 『週刊SPA!』1990年7月4日号 ※9 錦織一清『少年タイムカプセル』 ※10 TOKYO FM『木村拓哉 Flow』2023年3月19日放送
霜田 明寛 :ライター/「チェリー」編集長