「(SMAPは)なんちゃってオールマイティーですよ」木村拓哉が語った言葉に表れる、「ジャニーズ事務所」が他の事務所と違うワケ
さらに「男が足を上げて踊るなんて恥ずかしいという時代。そこから出発して、男が踊っても当たり前、という風には変えてきたつもりです※7」とその変遷を語り、「確かに今はアイドルと表現されていますけれどもガキタレ、ジャリタレは僕が作ったようなものでね※8」とも発言している。 それが、今や男性アイドルと呼ばれる一大ジャンルとなっている。ジャニーズ事務所がなければ、日本に男性アイドル文化が誕生していなかったといっても過言ではない。
■最大のライバルは4人組時代の「DA PUMP」 ただ、そんなジャニーズにとってもライバルはいたはずだ。中でも強力だったのは、4人組時代のDA PUMPだったのではないだろうか。 DA PUMPは97年、ライジングプロダクション初の男性4人組HIPHOPグループとしてデビューした。同事務所所属で同じ沖縄出身のSPEED、MAXらが一世を風靡していた頃である。レコード会社はエイベックスだ。 沖縄のストリートでダンスの鍛錬を重ねていたISSAのハイトーンボイスに加え、KENによる本格的なRAPが楽曲に取り入れられたのも当時としては新しかったし、4人での活動の後期にはYUKINARIが自らトラックも作成していた。一言で言うなら“ルックスもいい実力派”といったところだろうか。
もちろんデビュー後も進化はしていたが、ジュニア時代から成長過程を見せるジャニーズに対し、DA PUMPは若くしてほぼ完成形として出てきた印象もあった。 少年隊の錦織一清が当時「今度うちからいいグループ出たじゃん」「DA PUMPっていうグループ」と自分の後輩だと勘違いして評価していたら、事務所の人間に「錦織さん、それ大きい声で言わないで」「あれ、うちじゃありません」と言われたというエピソードがある※9。
これは、DA PUMPのルックス・実力の高さを示すと同時に、当時の感覚が“男性の歌い踊るグループといえばジャニーズ”だったことの証しでもある。 ■「ダンスが日本一うまいから」売れたわけではない その後DA PUMPはオリジナルメンバー3人の脱退や増員を経て、グループの形を大きく変えた。2023年、ISSAがプライベートでも交流がある木村拓哉のラジオに出演。芝居にバラエティに歌にダンスにとSMAPはオールマイティーだった……とISSAに褒められたときの木村拓哉の返しが印象的だった。